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家中おしっこで大騒ぎ...高齢猫にとって“おむつ”は不快なの?

林ユミ(イラストレーター),小澤真希子(獣医行動診療科認定医)

2023年01月16日 公開

 

認知症ねこがおだやかに暮らすために

【ユミ】認知症ねこがおだやかに暮らすために、人にできることはあるのでしょうか。

【小澤】介護になることを、事前に見越しておいて、少しずつ準備をしておく、知識を集めておくことだと思います。

【ユミ】知っておくことが大事なんですね。ねこはどんなさいごをたどるのが一般的なのでしょうか。

【小澤】ねこのさいごにはさまざまなバリエーションがあります。ただ、心しておいていただきたいのは、眠るように亡くなるというのは、本当にひとつの理想型ですけれども、一般的ではないということ。そういう理想的なところに行けるのは本当に一部の子で、運よく上手に年をとれた子だと思うんです。

【ユミ】そうなんですね。

【小澤】何かしら病気があって、さいごは苦しいことが多いです。それを覚悟しておいて、眠るように亡くなったらすごくラッキーだなと思う方がいいと思います。

苦しまない、いいさいごにはなかなかならないものです。本人がそこまで苦しくなくても、苦しそうに見えることもあります。死に目の責任をあまりひとりで抱えこまないのが、ご自身のためにも、最終的にはそれがそのねこのためにも重要かと思います。

【ユミ】すごくいい言葉を聞きました。亡くなる前には、どんな変化がありますか?

【小澤】亡くなる前に食欲がなくなるのは一般的によくあります。息苦しそうにしたり、発作を起こしたりすることもあります。どれも見ていると悲しくなることと思います。

でも、毎日よく食べてて、ある日、寝ている間に亡くなるというのはあまりありません。実際そうなったら、昨日までよく食べてたのに突然亡くなってしまったと、ショックも大きいはず。どんなパターンであってもさいごは悲しい。さいごのプロセスは悲しいんです。

【ユミ】本当にその通りだと思います。

【小澤】どうあってもみなさん後悔するところがちょっと残る。でも、介護をたくさんされた方は、その後の立ち直りが早いように思いますが、いかがですか。

【ユミ】そうですね。確かに先生がおっしゃるように、介護の時間がわずかでもあったのは、私の心の回復にとって、大きかったと思います。

 

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