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「食べたくない...」箸が持てなくなった高齢者に作る食事のポイント

大迫知信(原作・文 ),いしづかちなつ(マンガ)

2024年01月31日 公開

シニアになるとお箸が使えなくなったり、料理のメニューにも気を遣う必要が出てくるものです。高齢の家族に食事を楽しんでもらうには、調理の際にどんなことに気を付ければいいのでしょうか? 大迫知信さんが自身の体験、そして介護のプロからのアドバイスを紹介します。

※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年2月号より、一部を抜粋編集したものです。

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おばあ:松原文子(89歳)
1934年生まれ。大工の棟梁の夫と若い衆、子や孫に料理を作り続けてきた。近年パーキンソン病を発症し、孫の手助けが必要に。料理や介護に奮闘する孫に感謝しつつも、感想は率直で手厳しい。

孫:大迫知信(39歳)
脱サラ後、おばあが作るちょっと変わった料理に支えられ、念願だった物書きに転身。著書『おばあめし』(清流出版)を出版。おばあが台所に立てなくなってからは、自らが作る"まごめし"を出している。
・ブログ「おばあめし」 https://obaameshi.com/
・Instagram https://www.instagram.com/obaameshi/
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大根の炊いたん、箸が持てないおばあにも食べやすく

【介護のプロに聞いてみた】

――おばあに料理をおいしく食べてもらうにはどうすればいいでしょうか?

「大根の炊いたんと言えばこうや」という感覚が、強く残ってはるんですよ。文子さんは特に、長年料理を作ってこられましたから、ご自身がいいと思う大根の切り方や炊き方があるんですね。それと同じ形で出すことは、食事をしっかり召し上がっていただくために大事なことやと思います。

小さく切るには「食べやすい大きさにしよか」とスプーンで切るのを手助けしてみてください。スプーンに載らないときはフォークに替えて「逃げた大根、突き刺そか」と一緒にやってみるのもいいと思います。一方的にならないような声掛けを意識してくださいね。

――同じものと言っても、おばあは高血圧なので味付けを薄くしたいのですが......。

出汁を効かせた減塩の料理をお出ししても、ご自分で醤油をかけて召し上がる方もらっしゃいます。濃い味にしたいおかずがある場合、他の料理の塩分を減らして一日に摂取する合計の塩分量を調整するといいですよ。煮物の味を濃くしたいときは、味噌汁の量を減らすのはいかがでしょうか。

「せっかく作ったんやから食べてよ!」と押しつけてしまいがちですが、どうすれば次も食べたくなるかを考えて工夫してみてください。

――食べることが大好きなおばあのために、次も食べたくなる料理、作ります!

協力:一由麻里
おばあと孫が暮らす大阪・四條畷市で90年続く福祉の会社、畷ケアサービス(ちよの里)を営む3代目。介護の問題に直面するおばあの孫の相談に乗っている。

マンガ:いしづかちなつ
京都芸術大学マンガ学科卒業。認知症をわずらった祖父の介護にあたった6年間をマンガにした同大学の卒業制作『ころがる毎日』で優秀賞を受賞。

 

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