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長嶋茂雄さんと野村克也さん…直感と論理はどちらが強いのか

青島健太(スポーツジャーナリスト)

2011年04月07日 公開 2022年02月16日 更新

 

3×19=最強

長嶋さんと野村さん。どっちがすごいか。

私の答えは、「両者が手を組んだら、それがいちばんすごい」だ。

長嶋さんの背番号3と野村さんの背番号19は、数学的にはともに素数である。1とその数以外に割りきれる数字をもたない、個性的な、あるいは孤高の数字。

だれの介入も許さない。だれの影響も受けない。オリジナリティに富むお二人には、その姿勢を表すのにピッタリの数字だ。

素数の特性として、ほかの数字で割ることはできないが、掛けることはできる。

ならば、3と19を掛けてしまえというのが、本書のめざすところだ。

式にすれば、3×19=最強。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言われる。ある成果を求めようとするなら、これは真理だろう。欲張っていくつもの獲物をねらえば、一つも手に入らないものだ。潔く自分の目標を一つに決めて頑張ろうとすることが、力を発揮するコツだという教訓にも聞こえる。

しかし、一兎を得るための方法論が一つである必要はない。試行錯誤のなかでいろいろなものを試せばよいのだ。そのための思考法や行動におけるスタイルは、二兎と言わず三兎も四兎も追いかけてみる。

野性の人も、知性の人も、オプションが増えるに越したことはない。ならば、長嶋さんと野村さんの二兎を追いかける。そして、臨機応変に長嶋的と野村的を使い分ければよいのだ。

私たちの使命は、偉大な先輩・長嶋さんと野村さんを超えること。

「野性で戦い、知性で守る」=「3×19」

それは、いまを生きる私たちの柔軟なタクティクス(戦術)となるだろう。

 

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