とんがって生きられないキミヘ
今の若いレスラー、もっと元気があってもいいんですけどねえ。なんだかおとなしいよね、性格的に。
みんな素直で一生懸命やっているんだけど、ガツカツしたところがないし、個性がない。食事だって酒だって、僕たちの頃はムチャクチャ食って飲んでいたけどそういうところもない。だから、あんまり大きくならないっていうか。
みなさんの世界でも若い人って今、そうなんでしょ。別に車なんかいらないとか、家なんてほしくないとか。欲がないっていう。
僕たちの世代は高度成長期とかバブルとか、刺激のある時代を生きてきたから上を目指すっていう欲があったけど、今はそうじゃないからね。もうそこそこでいいやってのが、定着しちゃったのかもしれないですね。
でも周りがそうだったら逆に、ガツガツいっちゃえば頭角が現せるんですけどね。これはレスラーだって、社会人のみなさんだって同じですよ。
そうやって目立てば、誰かが波に乗っけてくれるの。
小さい波は誰でも乗れるんですよ。ここ一発、大きな波に乗ることはしんどいですけど、そこで乗れるかどうか。
まあ、僕はその時代の波に乗っかった。乗っけられたってのはありましたね。本当にデッカい波はね、やっぱり周りで乗っけてやらないと。
僕は、マサさん、浜さん(アニマル浜口)の支えがあって、乗っけてもらったんですよ。
乗れる人間は1人ですよ。だから乗っけてもらえるよう目立つの。
その点、サッカーの本田なんてえらいじゃない。とんがったことばっかり言ってるから目立つよね。
それでいて、でかいこと言ってもちゃんと実現させているじゃないですか。あれですよ。
僕も若い頃はいろいろ偉そうな口たたきましたけど、言っちゃって自分を追い込むって部分ありましたよ。本田も同じなんじゃないですかね。
若いうちはとんがっていていいと思いますよ。僕もそうでしたから。若くて勢いがあるときは角を鋭くしてね、突っ走っていればいいんじゃないですか。
転がり続けていれば、どんどんどんどん角がとれていつか自然と丸くなっていくんですから。昔に比べれば僕だって丸くなったでしょ、それくらいでちょうどいいんだと思いますよ。