柳沢真吾のガーデニングは面白い
2011年04月23日 公開 2022年08月18日 更新
《月刊誌『PHPほんとうの時代Life+』2011年1月号より》
ガーデニングのすすめ
休日には庭に出てお茶をする、本を読む、そこに花の咲いた鉢や緑があったらいいなあ、そんな夢を持ってガーデニングを始める方は多いと思います。ところがいつの頃からか、りっぱな花を咲かせることが目的となり、「ガーデニングは難しい、大変だ!」となる。
ガーデニングは、花をりっぱに咲かせることではありません。小さく育っても咲いてくれたことを喜び、感動し、眺めて豊かな気持ちになる。そんな生活をプレゼントしてくれるのがガーデニングです。仕事ではなく趣味でやるんですから、うまくできなくてもいいじゃないですか。植物のある生活を楽しめればいい。やってみようかな、という気持ちが大事です。肩の力を抜いて、まずは始めてみましょう。
花を咲かせる極意
「うまく育てるための秘訣は何ですか」といった質問をよく受けます。意外と思われるかもしれませんが、その答えは、たった一つ。それは毎日その植物の元に足を運ぶことです。
毎日見ていると、「今日は元気ないな」とか「お!芽が出てきたぞ」とか、相手の変化がよくわかります。恋人のご機嫌を伺うように、足しげく通って常に気にかけてやることなんですね。
園芸書に書いてあるようなハウツーでも知識でもない。成功の極意は、いかに毎日足音を聞かせるか、です。
「育てたい!」という情熱
毎日足音を聞かせる。なあんだ、そんな簡単なことか、と思うでしょう? でもこれが結構大変なんですよ。飽きるんですね。花が咲いている時は張り切って足を運ぶけれど、花が終わると興味を失い、手入れをしなくなった鉢がいくつも転がってるってことありませんか。
じゃあ、どうすれば毎日足を運びたくなるのか。これも答えは、たった一つです。好きな植物を育てることです。「ラクな植物は何ですか」と聞かれますが、それは人によって違います。バラがラクな人もいればサボテンが難しい人もいます。サボテンでも枯らしちゃうって人がいますが、その人はサボテンを好きじゃないんですね。
好きなものなら世話をしたくてたまらなくなる。大好きな恋人とつきあうようなもので、絶対うまくいきます。
入門書はあとで
好きな植物に出合うと、それを育てるためには、知りたいコトがいっぱい出てきます。バラを育てたいと思ったら、バラの情報をインターネットや図書館などで手に入れる。ポイントを絞って調べればいいんです。そうなればどんなに難しいとされる植物でも、楽しみながら知識を身につけることができます。 ところが最初に入門書を買って、何を育てようかな、とページをめくり、そうだ、バラはどうだろう。え~と、何月に肥料をやって、何月何日に剪定をして、水やりはこうで......と。受験勉強みたいで、「めんどくさい、やめよ」となる。育てたい、というモチベーションこそが大事なんです。入門書はそのあとでも遅くありません。
<掲載誌紹介>
『ほんとうの時代Life+』2011年5月号
【今月号の読みどころ】
快適で心豊かにモノとつきあうための考え方である「断捨離」が、すっかり定着してきました。この「断捨離」の考え方は、実は暮らしを上手にダウンサイジングしていきたいと願うシニアにこそ、実践してもらいたい考え方とノウハウが満載です。そこで、提唱者であるやましたひでこさんを始めとした達人たちが、整理と片づけのノウハウをアドバイス。そして、モノだけではなく、人生後半の生き方もすっきりとさせ、愉しく生きるためのヒントを提案します。
☆『ほんとうの時代』は現在休刊中です