パラダイムシフトは自身も周囲も変化させる
これまで持っていたパラダイムが、まったく新しいパラダイムへと移行することを「パラダイムシフト」といいます。人々が天動説を信じていた時代に地動説を唱えたコペルニクスは、天文学の世界にパラダイムシフトを起こしました。
またこれまで部下の短所ばかり見ていたリーダーが、部下の長所に目を向けられるよりになることも、一種のパラダイムシフトであるといえます。
コヴィー博士は、幸せで充実した人生を手に入れたければ、今まで自分が持っていた偏りのあるパラダイムと決別し、新しいパラダイムにシフトすることが不可欠であると述べています。
その新しいパラダイムとは、前項で解説した「人間社会の普遍的な原則」を中心にしたパラダイムです。
「公正さ」や「誠実」「正直」といった普遍的な原則に則ったパラダイムを持つことは、より正確な地図で世界を見られるようになることを意味します。
その地図は時代や国や文化を超えて共通するものですから、どんな世界で生きていくことになったとしても、どんな場面に直面にしたときでも通用します。正しい地図を手にすることは、「幸せで充実した人生を手に入れる」というゴールへの到達を確実にします。
そしてパラダイムシフトによって物事の見方や認識の仕方が変わることは、自分自身のあり方が変わることにもなります。
「パラダイムと人格を切り離すことはできない。人間においては、あり方は見方に直結するのであり、どう見るかとどうあるかは強い相関関係で結ばれているからだ。あり方を変えずに見方を変えることはできない。その逆もまたしかりだ。」
パラダイムを変えることは、自分を変えることでもあるのです。