ネット依存症になりやすい人の3つの特徴
2016年01月18日 公開 2023年01月11日 更新
ネット依存になりやすい人の3つの特徴
1、友人をネット上で見つけようとする
2、幻想を実現しようとする(別人格になりきる、あるいはサイバーセックスにふける)
3、万能感を感じようとする(膨大な量の情報を手に入れる、あるいは自分が神になったかのように有名人のブログやツイッターを攻撃する)
しかも、ネットの使用をやめると、離脱症状が出現します。イライラしたり、不安になったり、ネット上で何が起こっているのか知りたいという渇望にさいなまれたりするのです。そのため、必要以上に長時間、パソコンやスマホの画面に向き合っていることになります。ネットの利用を制限するように、できればやめるように周囲から助言されても、どうしてもコントロールできず、休日もずっとネットに釘づけになってしまうのです。
必然的に、日常生活の他の面で問題が出てきます。ネットを長時間やり続けるために、食事がおろそかになったり、睡眠時間が短くなったりします。朝起きられず、遅刻ばかりしていて、学業や仕事に支障をきたすようになる場合もあります。夫婦関係がうまくいかなくなり、離婚に至ったようなケースも報告されています。
深刻なのは、多くの場合、ネット依存症なのだということに本人が気づいていないことです。もっとも、本人がある程度自覚していても、ネットの過剰使用をなかなかやめられないことも少なくなく、ネット漬けの生活からの脱出は容易ではありません。また、掲示板、ブログ、ツイッターなどでの「会話」にのめり込む人が、現実生活においてコミュニケーションの問題を抱えていることも結構あります。バーチャル空間でしか自分の気持ちや生きづらさを表現できないからこそ、ネット上の「会話」の虜になってしまうわけです。
これは当然かもしれません。現実空間のように顔を合わせる必要も、現実と直面する必要もなく、嫌になったら、一方的に「会話」を断ち切ることもできるのですから。もっとも、これは両刃の剣です。お互いの顔が見えず、一方的に断ち切ることも可能なので、相手がより攻撃的になる場合もありうるからです。自分に攻撃の矛先を向けられて、当惑したり、落ち込んだりすることだってあるはずですが、それでもやめられないところに、ネット依存症の怖さがあるといえるかもしれません。
もちろん、ネット依存症も、嗜癖の一つとしてとらえられます。ネットに寝食を忘れて没頭したために、低栄養や睡眠不足に陥ったり、視力低下、頭痛、腰痛、腱鞘炎などに悩んだりするようになった患者さんを見ていると、「身体で支払った」という印象を受け、まさに嗜癖だなあと思います。それでは、一体、何の負債を支払っているのでしょうか?
これは、「もっとやれる」「もっといける」はずの自己愛的イメージと、「これだけでしかない」現実の自分との間のギャップを埋め合わせたいと願う欲望につきものの負債にほかなりません。自己愛的イメージをなかなかあきらめきれず、自己愛の補完を求め続ける現代人に課せられた負債であり、まさに、「時代の病」と呼ぶべきなのです。