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こんなときは何て言えば…? 絵本・漫画に隠された「人間が強く興味を持つ3要素」とは

ゆうきゆう(精神科医/心理研究家)

2011年08月23日 公開 2022年09月28日 更新

「どう告白していいか分からない」
「色々な言葉が、相手に伝わっていないように感じる...」

あなたは、そんな悩みを感じたことはありませんか? 今回は、プロの口説き文句を通して、言葉の威力を何倍にも高めるスキルをお教えしましょう。
題して「グルメなマンガと言葉の魔術」です!どうかゆっくりとお楽しみ下さいね。

※本稿は、ゆうきゆう著『[図解]不思議と相手の心をつかめる心理術』より一部抜粋・編集したものです。

 

歴史的な「おいしさの表現」

突然ですがみなさんは、『美味しんぼ』という漫画をご存じでしょうか。それまでは「うまい!」「おいしい!」としか表現方法のなかった料理漫画の歴史に、ほぼ初めて「言葉による表現」を起こした、まさに革命的な作品です。

登場人物たちは、魚でもラーメンでもステーキでもハンバーグでも、食べるときに、必ず「説明」や「たとえ」を用います。決して素直に「おいしい」とか「うまい」だけでは済ませません。

もっとも有名なのが、「まったりとしていて、それでいてしつこくない」というセリフ。誰もが聞いたことがあり、しかし誰もが実際に味わったことはない、幻の味です。

僕もある程度人生を生きていますが、実際に何かを食べていて「わぁ、まったりとしていて、それでいてしつこくない!」と思ったことって一度もないです。「もっさりとしていて、それでいてしつこい」味なら何度も出会ったことがあるのですが。

『美味しんぼ』には、他にも色々な表現があります。冷やし中華1つ食べるのにも、説明は止まりません。

「ほう...。いいダシが取れている...。本物の材料で作った調味料でなければここまで軽やかな味が出ない...。ふむ...、このヤキブタはよくできている...。この味が...」

「いいから黙って食べてください」と突っ込みたくなるほど、説明しながら食べています。

 

どううまいのか、どう強いのか

さて、この『美味しんぼ』が作った「うまさの表現」は、その後さまざまな料理漫画に引き継がれました。このような「表現」には、心理学的にはちゃんと意味があります。

実際に『美味しんぼ』で「うまい...」と一言だけ発して黙々と食べていては、読者はつまらなくて読むのをやめてしまうはずです。それはたとえるなら、格闘漫画で「俺は強いぜ!」と叫びながら登場する敵キャラクターと同じ。

強いのなら、「どう強いのか」を表現しないと、決して読者には伝わりません。実際に心理学では、「分かりやすく表現したほうが、説得効果は高い」と言われています。これを「鮮明効果」と言います。

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分かりやすさこそが武器になる

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