顔色が赤黒い
血流不全
友人や知人の顔色が「赤い」と、一般の人は「血色がよくて健康そうですね」などと言いますが、それは大きな勘違いです。脳卒中、心臓病、ガン……などで亡くなった方、急死した友人・知人達の顔色を思い浮かべてみられるとよいでしょう。たいていは「赤ら顔」であったはずです。
漢方医学では、顔や手の平が赤くなる症状を「瘀血(おけつ)」といいます。「瘀」とは「滞る」の意味で、「瘀血」とは「血液の流れの悪い状態」を指しており、漢方医学独特の用語です。
体の冷えによって血管が収縮して血流が悪くなる(瘀血)と、清流もせき止められるとドブ川になってしまうように、血液中の成分も汚れて「汚血」になります。
また、肉、卵、牛乳、バター、マヨネーズに代表される高タンパク、高脂肪食の食べすぎで血液中の脂肪、タンパク、尿酸……などの栄養過剰物や老廃物が増えると、血液はドロドロに汚れ(汚血)、その結果、血流が悪くなり「瘀血」になるのです。
「汚血」=「瘀血」に陥ると、コレステロール、中性脂肪、フィブリン(タンパク)、終末糖化産物(AGE)、尿酸……などの余剰物、老廃物を血管の内壁に沈着させる(動脈硬化)ことで、血流をよくしようとしますが、血管はますます細くなり「瘀血」は進展します。その結果、血流をよくするために、血管を拡張しようとして、顔や手の平が赤くなるのです。
「赤い」といっても、ピンク色の健康的な赤味とは違うどす黒さを伴う赤さです。同時に歯茎や舌の辺縁が赤から紫や茶色を帯びた色素沈着を伴うことが多く起こります。
「瘀血」=「汚血」=「血流不全」なのですから、放置すると脳梗塞、心筋梗塞、ゆくゆくはガンなども患いやすくなります。
「瘀血」のサインのある人は、健康の原則である「少食」「十分な運動」を励行する必要があるでしょう。