「人材が流出する会社」と「ずっといたい会社」 その差を生んだ"従業員アワード"
2018年10月22日 公開 2018年10月22日 更新
全社員からの推薦で、マネージャー層には見えていない真の功労者も称えられるように
「従業員アワード」表彰は、年2回。10人から15人が選出されます。表彰者には、金一封として報奨金と特製トロフィーが贈られます。トロフィーは、ガラス製のものに名前を刻んで贈るのですが、これがとても好評です。
チームで受賞した場合には、1人ひとりにトロフィーを贈っています。社員にとっては本当にうれしいトロフィーのようで、デスクの上に飾っている社員もいますし、家に持って帰る社員もいます。表彰するだけでなく、きちんと報いる。これはとても大事なことです。
また、歴代の従業員アワードの受賞者は、ゴルフ場にあるチャンピオンボードのようなプレートに名前が刻まれ、オフィスでも目にしやすい場所に掲げられます。
コンカー社内に掲げられたアワードボード
こうした取り組みもあってか、GPTWのアンケートでも、コンカーではほぼ全社員が「この会社は社員の貢献に対してきちんと認知している」と答えてくれています。
そして、従業員アワードで大事にしているのが、選定のプロセスです。公平かつ透明にする。実際には、発表の数週間前に、社員からノミネーションを募ります。
自薦でもかまいませんが、他者からの推薦が基本です。マネージャー層には見えていない部分で努力していた、真の功労者も称える仕組みなのです。
これが、じつに毎回数百件も集まります。整理して、マネジメントメンバーが1人1票で投票していきます。私も1票です。投票で票が分かれたら、決選投票になることもあります。どうしても順位がつかないときには、ダブル受賞も過去にありました。
表彰は、全社員が集まるミーティングでおこないます。このときだけは授賞式にふさわしいBGMを流し、壇上に拍手で迎えて栄誉を称えます。陰ながらがんばってきた社員からは、「見てくれる人がいたんだ、という励みになった」という声が上がりました。
営業に関しては、四半期ごとに、トップの成績を収めた優秀者を全社員が集まるミーティングで表彰しています。金額ではなく達成率で計るため、担当しているお客さまの規模に関係なく公平な仕組みであり、この賞を受賞することは、営業系社員にとって大きな誇りになっています。
営業は別途、数字での報奨がありますから、基本的には「従業員アワード」の対象外ですが、数字以外の部分で著しくがんばってくれた営業は受賞の対象になります。たとえば、「ベストイニシアティブ賞」や「危機からの脱出賞」は、過去に営業が選ばれたこともありました。