<<ダイエットと聞くと、食事量を減らしたり、何かを「禁止、制限、ガマン」するものだと思いがちです。しかし、その方法で一時的に体重を落とすことに成功しても生涯続けるのは難しく、必ずリバウンドしてしまいます。
さらに、若いうちに食事量を減らすことは、老化を早めることにつながると指摘するのは、日本健康食育協会代表理事で管理栄養士の柏原ゆきよさんです。
『食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)の著者の柏原さんが提唱する、太らない上に長く健康でいられる食事法とは?>>
食が細くなると、寝たきりになるリスクが増大!
ダイエットというと、食事の量を減らさなければいけないというイメージがあるようで、体重を減らすためにローカロリーの食事にしたり、朝食をスムージーだけにしたり、一日2食や1食に減らしたりといった方法をとる人が多いようです。
また、近年では、糖質制限ダイエットやファスティング(断食)なども流行しています。
ですが、食べないダイエットはとても危険です。
ファスティングしたあと、食べる量が減って喜ぶ人がいますが、これは胃腸の筋力が落ちて、受けつけられなくなったということ。
老化現象と同じなのです。
一度食べられなくなると、食べられるように戻すのは難しく、60代以降の人だと一気に衰えてしまうケースもあります。
若いうちに食事量を減らすことは、自分からわざわざ老化を早めているようなものです。食べられない胃腸になると、体力が落ち、老化が進み、寝たきり一直線です。
そして、カロリーを減らして有酸素運動をしてしまうと、筋肉や骨が消耗します。筋肉や骨が弱くなると、基礎代謝が落ちることになり、ますますリバウンドしやすい体質になってしまい、結果としてやせないのです。
介護予防の3つの柱は「低栄養の予防」「筋力の維持」「口腔機能の維持」。いま流行っているようなローカロリー志向は、栄養不足と筋力低下、口腔機能の低下につながるなど、すべてに関して悪影響を及ぼします。
また、糖質制限もあまり日本人に適した方法とはいえません。
もともと脂質の摂取量の少なかった日本人は、脂質の消化が苦手な体質です。脂質の多い食事は、消化に時間がかかってしまうので、胃の状態や腸内環境が悪化しやすくなります。
胆汁などの消化液もたくさん必要となるため、肝臓や胆のうなどの臓器にも負担がかかります。
事実、日本人のお米を食べる量は年々減り続け、今は40年前の半分以下にまで激減していますが、それにもかかわらず、肥満や糖尿病が増えています。これはつまり、ごはんを減らすことで脂質を増やしてしまっているからなのです。