法改正で、新たに約17万人が国民年金の受給対象に
そこで、もう少し具体的に、将来、老齢基礎年金としてもらえる国民年金加入者の年金額を見てみましょう。
自営業者のみなさんは、65歳になると国民年金をもらいます。国民年金の場合には、6~7万円をもらっているという人が男女ともに最も多く、3割近くいます。次に多いのが5~6万円。
50歳を過ぎた方は、日本年金機構から毎年誕生月(1月の人は前年
12月)に送られてくる「ねんきん定期便」を参考にしてください。現在加入している公的年金に60歳まで同じ条件で加入したらいくら年金がもらえるのかがシミュレーションされています。
また、日本年金機構のホームページの「ねんきんネット」の年金シミュレーションなどを使ってもおおよそ見当がつきます。
国民年金に入っていれば、将来、老齢基礎年金が出ます。老齢基礎年
金は、加入していた加入月数によってもらえる額が決まります。
2017年7月までは、25年間加入していなければ年金がもらえませんでした。ところが、同年8月1日に改正年金機能強化法が施行され、10年加入していればもらえることになりました。
これまで、25年に満たずに年金がもらえなかった65歳以上の無年金者が約42万人いましたが、このうち約17万人が、年金をもらえるようになっています(遺族年金は資格期間25年のまま)。
国民年金に加入している人は、パートやアルバイトで収入が少ない人も多いのですが、支払う保険料の額を増やさずに年金額を増やす方法があります。
厚生年金を15万円以上受け取る女性は1割弱
会社や官公庁に勤めている人は、自営業者などの国民年金にあたる老齢基礎年金にプラスして、給料に対して支払われる報酬比例年金が上乗せされる厚生年金に加入しているので、将来は、給料と勤めていた年数に比例する老齢厚生年金が支給されます。
給料が高く、長く勤めていた人ほど年金が多くもらえるわけです。
男性の場合、支給額は月15万円から20万円という人が最も多く、次いで10万円から15万円という人が多くなっています。
20万円から25万円という人も2割以上います
女性の場合には、5万円から10万円という人がもっとも多く、次いで10万円から15万円。15万円以上もらっているという人は1割弱になります。
多くの日本企業ではまだ、男性に比べて女性は出世する機会が少なく、高い役職手当をもらっている人が少ないため、収入全般が低い傾向にあります。
また、子育てや介護なども女性の負担が大きいケースが多いので、フルタイムで働けなかったり、途中で会社を辞めなくてはならない人もいます。その影響で年金も少なめになってしまうのでしょう。
こうした女性の年金を、少し増やすことができるかもしれない方法もあります。