なぜ「第一印象が良い人」ほど警戒すべきなのか?
2019年06月22日 公開 2020年08月03日 更新
長所と短所は表裏一体
ここで、あなたを惑わせる「一見、いい人」とはどんな人なのか、あらためて考えてみましょう。
とりたてて悪いところはなさそうなのに、なぜかあなたのエネルギーを消耗させる「一見、いい人」。人それぞれ、その定義は異なりますが、まずはあなたにとっての「いい人」とはどんな人なのかを書き出してみましょう。
【例】 面倒見がいい 親しみやすい 穏やかである 頼まれごとを断らない 努力を厭わない 口うるさくない 頭が良い 才能豊かである
こうやってリストに挙げてみると、リストにあてはまるような人物に、悪人などいなさそうに思えてきますね。
また、このリストにあるような魅力に惹きつけられて、「この人ともっと仲良くなりたい!」「この人となら、一緒に仕事をがんばれそう!」と感じるのも、自然ななりゆきといえるでしょう。
しかし、人間はそんなに単純にはできていません。
最初は「いい人」に思えていたその「長所」から、じわじわと、あなたを消耗させる側面が現れてきたとしたら、どうでしょう。長所を一つひとつ、ひっくり返してみましょう。
「面倒見がいい」も、過剰になると、束縛感を感じ、負担になりはじめる。「いつも穏やか」でも、その裏で何を考えているかよくわからない人もいます。
「仕事を頼まれたら断らない」かわりに、実際の作業をしてみるとミスが多くて結局あなたの負担が増えている、ことはないでしょうか。
「努力家」であるゆえに仕事を一人で抱え込み、あるときに突然キレる。そんな相手にあなたは振り回されているかもしれない。
「口うるさくない」けれど、こちらに何のアドバイスもないし、方向性も示してくれないために、なんだかんだ、やり直し作業をさせられていませんか。「才能豊か」ではあるけれど、気まぐれや思いつきで周囲を振り回すあの人。実はもう、周囲は疲れ切っている―。
どうでしょうか。いずれも、あなたの「エネルギー」を消耗させる側面ではありませんか。あなたは相手のそこに、うっすらと「嫌さ」を感じているのです。
人は、社会に出るときには必ず何らかのペルソナ(外向きの人格)を身にまとうものです。つまり、誰もが最初は、相手に良いところを見せようとして、"お化粧"をしている。
しかし、徐々に相手との距離が近くなってくると、化粧を落とした素顔を見せるようになる。化粧した顔と素顔のギャップが大きいと、その衝撃も大きくなります。