飲みに行くなら母校の近くにある居酒屋
たとえば、最近よく使っているスマホのアプリは何か、買ったものは何か、着ている服はどこで買ったのかなど、ただただ教えてもらうのである。「君を真似してみたいから」と伝えた上で尋ねれば、よほど場違いで無い限り、決して嫌な顔はされないだろう。
こうした教えを請うのにふさわしいのは、やはり酒場だ。
最近の若者は酒を飲まないと言われるが、全員が全員、一滴も飲まないわけではない。学生街の安い居酒屋では、今日も若者が飲んでいる。
なので、学生街、できれば自分の母校の近くに行きつけの安い飲み屋を持つといい。ときどきそこへ出かけて行って、若者の話を何となしに聞く。
もしも話しかけられそうな雰囲気のグループが近くにいれば、ちょっと声をかけてみる。相手は一人だと警戒するが、グループならそうでもない。彼らにいろいろと教えてもらえたら、御礼に一杯ずつご馳走するといいだろう。新しい刺激代と考えれば安いものだ。
知識や蘊蓄でマウンティングしないこと
私も学生時代、早慶戦で早稲田が勝つと、新宿の思い出横丁にある早稲田OBが集まる店で「自分は商学部の学生です」などと言いながら、よくご馳走してもらったものだ。
学校が同じと言うだけで、先輩は後輩に優しいものなのだなと不思議に思ったものである。そこで私にご馳走してくれた人たちに、私の所属が早稲田ではなく中央の商学部であることは、積極的には開示しなかったのもいい思い出だ。
ともあれ、年配者が若者の上に立っていいのは、支払いの時だけである。知識や蘊蓄でマウンティングすると嫌われるが、財布でのそれは嫌われるどころか歓迎される。
いつか、「あの席に座っているオジサンは、ときどき一杯おごってくれる」と彼らの間で評判になったらしめたものだ。こうしたところで仕入れた話題を同窓会で披露すれば、一目置かれることだろう。