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西岡徳馬が74歳になるまで断り続けた「オファー」とは? 本人が語る”その本心”

西岡徳馬(俳優)&吉澤恵理(医療ジャーナリスト)

2020年11月25日 公開 2022年07月05日 更新

東京ラブスーリーや極妻シリーズなど多くの作品で存在感を放ってきた俳優、西岡徳間さん(74)。今年芸能生活50周年を迎え、11月25日には初のCDリリースを果たす。74歳という年齢を感じさせない西岡さんは、年を重ねるごとに輝きを増す『パワーエイジング』を体現している。これまでの軌跡と人生観について聞いた。

 

『ガキ使SP』出演がファン層を一気に拡大させた

2016年大晦日、日本テレビ恒例の「ガキの使SP」に出演し、吉本新喜劇の名物ギャグ「乳首ドリル」をやり切った西岡さんの姿に誰ももが目を疑った。

「乳首ドリルすな!」「ドリルせんのかい!」と上半身裸で乳首をつつかれる掛け合いに多くの視聴者が抱腹絶倒した。放送を見た友人の中井貴一さんから「西岡さんは大阪の出身っだったんですね」と称賛の電話が来るほど振り切ったものだった。

それまでの俳優西岡徳間のイメージを大きく変えた「ガキ使」への出演に抵抗はなかったのだろうか。

「確かに『プライドが高くて笑いなんかやってらんないよ』と考える俳優もいると思いますが、俺はお笑いはある意味パフォーマンスの原点だと思うんです。観てくれる人がいてこそのエンターテイメント。それなら俺はエンターティナーになるべきで俳優もお笑いも関係なく、観る人を楽しませるべきとおもって「ガキ使」の出演を受けました」

その結果、ファン層は中高生まで広がり、西岡さんの新たな一面が引出された。

 

「つかこうへい」との出会い

大学時代は玉川大学の演劇科で学び、文学座で10年間、芝居に向き合った。文学を演じてきた西岡さんの俳優としてのプライドは相当なものでったのではと想像するが...

「40歳の時につかこうへいの『幕末純情伝』で坂本龍馬を演じました。当時、つかこうへいの舞台はすごい人気で劇場は通路まで観客が入って、押し合うような中で観ていました。その中を白いバスローブを着て歌を歌いながらの登場でした。

そして『これが土佐坂本龍馬じゃ!』ってバスローブをバンっと剥ぐと赤いブラジャーにパンティ、網タイツという演出でした。あの時は、それまでカッコつけてたのを剥ぎ落とされました。清水の舞台から飛びおるような気持ちで挑んで『どこまで情けなくなれるか』という勝負でしたね」

「どこまで情けなくなれるか」という言葉には、プロとしての覚悟を感じる。そんなプロとしての覚悟が74歳になった今でもなお、新しいことへ挑戦するポテンシャルとなっているのかもしれない。今回のCDデビューも初めての挑戦となる。

「定年がないからこうなるんだよね。定年があれば第2の人生という節目があるのかもしれない。我々の役者の場合はそういった節目がないから走り続ける。

これまでもCDの話はありましたが俺は役者だから舞台以外では歌は断ってきたけど、今だからこそ「まだまだできるんじゃないか」っていう気持ちを歌にしたいと思いCDを出すことにしました」

長年の友人である鈴木キサブロー氏が作詞を手掛け、同世代に向けた人生応援歌。

「エンターテイメントの世界もコロナ禍で大変な状況にあります。多くの人が苦境に立たされていると思いますので少しでもエールになればと思います」

また、同CDに納められた「娘に乾杯」は、愛する娘の結婚式に向けた作品。

「下の娘が結婚を控えているのですが、父親の愛情を歌詞に込めました。結婚式で新婦の父親が歌うってことはあまりないかもしませんが、ぜひ、歌って欲しいですね」

「娘に乾杯」では、西岡さん自身も作詞に参加し、リアルな父親の気持ちが聴く人の心に響く。父親として家族への愛情が非常に深いことが伺える。

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