選択疲れに気づく3つのサイン
(1)誰かに聞かないと不安
「ちょっとしたことでも人に聞いてしまう」という相談は意外に多いです。1人で抱えないのはいいこと。ただ、他者を頼ることは、他者を責めることにもつながります。与えられた答えが間違っていると、腹が立ってしまうのです。このタイプの人は、自分自身が誰か(親や先生など)の思い通りになってきたケースが多く、だからこそ自分も他者を思い通りにしたいと考えやすいです。
(2)身の回りが「どうでもいいもの」であふれている
食器、洋服、下着、家具・家電など、身近なものに愛着が持てていますか? 「この機能が使いやすいんだよね」「このレースの部分が好き」など、お気に入りの部分が語れるのであれば、自分にとって心地よい選択ができていると言えます。「どうでもいいもの」であふれている場合、「他者」「世間」を基準にして選んでいることが多かったり、「もらったから」「お得だったから」といった理由で使っていたりすることが多いです。
(3)二極の選択にとらわれ、判断を保留できない
「ここで決めなきゃ」と考えて、その選択について一日に何時間もエネルギーを使っているときは要注意です。「YesかNoか」「一緒にいるか別れるか」といった二択以外に、いったん保留ボックスに入れる選択肢もあります。「今は判断材料を集める時期」ととらえたり、「決断できない時期もある」と受け入れたりすることも大事なことです。
まずは原因に寄り添おう
選択疲れに陥りやすい人の特徴やサインについて解説してきましたが、「今の私ってダメなのかな」などと、否定された気持ちになる方もいるかもしれません。でもまずお伝えしたいのは、これまでの自分を否定しないでほしいということです。
あなたがここまで来るのは簡単ではなかったはずです。間違うと冷たく怒られるのが怖かった、「お前はおかしい」などと全否定を受け自信を喪失した、しっかり者と見られてきたゆえにプレッシャーが過剰だった…など、選ぶエネルギーが失われたのには理由があります。まずは「お疲れさま」「つらいときがあったね」と充分にいたわってあげてください。
お風呂にゆっくり浸かったり、好きなものを食べたり、自分を喜ばせる手近な選択をしてみましょう。そして「朝起きられた」など小さなことでも自分を認めてあげること。全肯定しなくても、「今日これしかできなかった」は「今日これはできた」に変換するといいです。
あなたの気分がいいことが1番大事。自分らしい選択ができなくなっている人は、原因に寄り添うことを土台に、「手近な心地いい選択」のリハビリをしていくことで自分らしさが戻ってきます。
●失敗や後悔が怖いときは
人生において、「これを選べば絶対に大丈夫」と言えるものはありませんし、「不幸になろう」と思って選択をする人はいません。選択がたとえ失敗でも、「あのときの自分はそう思ったんだね」「そのときの最善策だったんだ」と、ただ事実を認めてください。結果的に失敗だったとしても、「何かを経験した」ということはプラスになります。
●「当たり前」「普通」はほとんど主観
たとえば仕事でミスをして上司に怒られているとき。ミスをしたことは事実でも、「5年目ならできて当たり前」「そこまで気を回すのが普通だよ」といった言葉には、その人の主観が多く含まれます。最初にも書きましたが、SNSなども投稿する人の主観による部分が大きいです。「当たり前」「普通」といった言葉に惑わされずに、自分を尊重した選択ができるといいですね。