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「クリスマスにチキンが買えない」 無職のシンママだった女性が始めた母子家庭支援

池内ひろ美(家族問題評論家)、吉澤恵理(医療ジャーナリスト)

2021年12月22日 公開 2024年12月16日 更新

 

60歳を迎え、より若々しく

2021年、池内氏は還暦を迎え、仲間たちと華やかな還暦パーティーを開いた。

「女性は赤いドレス、男性は同じ生地・同じテーラーで仕立てた赤いタキシードで集まりました。皆さん、かっこいい60歳です」

そう微笑む池内氏は、ショートカットにメッシュに赤い口紅でテレビに登場した30代の頃に比べ、非常に柔らで若々しい。

「テレビに出演しはじめた頃は、まだ30代前半でしたから、年齢よりも上に見られるよう努めました。その理由は、私は個人様の「結婚」「離婚」「家族」などの相談をコンサルティングとしてお受けしていますが、当時は相談に来られる方が私よりも年上ということも多くありましたので、私の年齢が若いことで不安にさせたくなかった。

実年齢よりも上に見せることで一つ不安を減らせるならと思い、いわゆる『老けて見えるブランディング』を行いました。歳を重ねることでその必要がなくなり、今は髪も伸ばして自然体です」

自分らしく生きるために自ら離婚を選択し、作家として文化人として活躍する池内氏は、シングルマザーのみならず女性に希望を与える存在である。インタビューの最後に女性に向けてのメッセージをお願いした。

「最近では親ガチャと言う失礼な表現がありますが、子供が望む通りの環境や育て方のできる親ばかりではありません。家族のトラブルは、家族メンバー誰も悪くないのに起こることが多々あります。

分からないことややりたいことがあった時には分かる人に尋ねて教えてもらったらいい。『教えてください』と『ありがとうございます』と言えることが大切ですよね。育児参加する男性が増えても、それは参加であって、子育ての要が母である時代はまだ続いています。母親である女性が笑顔で過ごすことが大事。ママが笑顔であれば家族メンバーもご自身も幸せを感じられます」

従来の60代のイメージとは大きく異なる赤いドレスの池内氏はキラキラと輝いている。『教えてください』『ありがとうございます』と素直に言える内面の柔軟さが若さの秘訣なのかもしれない。

【吉澤恵理(よしざわ・えり/薬剤師、医療ジャーナリスト】
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業(現、東北医科薬科大学)。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

 

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