「仕入れる/購入する」ところからSDGsをはじめてみる
それでも、いざ「社会貢献をしよう」と考えると、ものごとが急に難しくなる面もあります。わたしが行ったような、自分の会社を生かして、産業が育っていない場所の人たちと一緒に新しい事業を生み出す、ということはハードルが高いと思われる方もいらっしゃると思います。
でも、どんなビジネスにも、「何かを仕入れる/購入する」という行為はあります。その仕入れる商品は誰かがつくっているものです。そのように考えると、ものを買う、というところからSDGsを始めてみるのもいいかもしれません。
例えば「ものを選ぶ基準を変える」ことからも、わたしたちは社会にいいかたちでかかわることができるのではないでしょうか。
なにかの不買運動をするとか、そんな極端なことをいっているのではありません。
そうではなく、ただものを買うときに、自分の感覚として「これ安いな……」と感じたら、ちょっと疑問を持つ意識が大切だということです。
さらに、いつも購入している商品が気になったら、その商品を掘り下げて調べたらいいし、環境や人に対して正しいことに取り組む企業の商品を、意識的に選んでもいいでしょう。
すると、そのものをつくる陰で苦しんでいる人を少しでも減らすことにつながるし、誰も苦しまないでつくられた商品を積極的に選ぶようになるかもしれません。
もちろん、ずっと続けるのはおのおのの懐事情が違うため難しいところですが、なにもしないよりはましではないでしょうか。ものを買うときの基準をあらためて考えること自体が、そのまま社会貢献につながっていくのです。