「経済的自由」が目的の人がお金持ちになれない理由
2022年04月06日 公開 2022年08月16日 更新
「経済的自由を手に入れたい」では試練は乗り越えられない
では、次の重要なカギに移ろう。ビジョンを実現するためには、このステップを踏まなければならない。自分の「なぜ」を理解するために次の質問に答えよう。
・なぜ収入を増やしたいのか?
・なぜ新規事業を立ち上げたいのか?
・なぜ会社を発展させたいのか?
・なぜ今の仕事で昇進したいのか?
・なぜもっとやりがいのある仕事をしたいのか?
・なぜ経済的に苦労している親や配偶者に楽をさせたいのか?
・なぜ痩せたいのか?
・なぜ友人や恋人とさらに親しくなりたいのか?
・なぜ情熱を燃やして活動したいのか?
・なぜ笑みを浮かべながら人生を送りたいのか?
おそらく以上のどの質問にも「そんなことは当然だ」と答えるに違いない。
だが、なぜそれらのものを手に入れたいのか? きっとあなたが思っているより深い理由があるはずだ。そこで、その理由を深く掘り下げるためのエクササイズを紹介しよう。
ほとんどの人は、心のなかを探ってなぜ自分が何かを手に入れたいのかを深く掘り下げようとしない。残念ながら、私たちの脳は大切なことをあいまいにする傾向があるからだ。
私はセミナーの受講者に「なぜもっとお金がほしいのか?」と質問してきたが、ほとんどの人が「経済的自由を手に入れたいから」とか「借金を完済したいから」と答える。「なぜ痩せたいのか?」という質問には「外見をよくしたいから」という答えが返ってくる。
それらは的確な答えではあるが、深い理由ではない。深い理由がなければ、大きな試練を乗り越えることはできない。
人生の荒波にもまれて苦しんでいるとき、「新しい家を手に入れたいから」という理由が、嵐を乗り切るモチベーションになるだろうか? 「腹筋を鍛えたいから」という理由が、仕事の後で疲れているときにジムへ向かうモチベーションになるだろうか?
だが、もし十分に深い理由があれば、すべては変わる。
もし自分を駆り立てる原動力となる「なぜ」を掘り下げれば、かつてないほど速く前進することができるだろう。
あなたの深い理由はなんだろうか? それはまだ自分でもわからないかもしれないが、あなたはそれを見つける必要がある。
「7段階の深い理由」
「なぜ」を追求し、深い理由を見つけるための最適なエクササイズが「7段階の深い理由」だ。
これを私に教えてくれたのは、私がセミナーの受講者の利便性を図るために雇ったジョー・スタンプという優秀なコンサルタントだった。打ち合わせの席で、ジョーは私に尋ねた。
「私をここに呼んだ理由を教えてください」
私が「人の役に立ちたいから」と答えると、ジョーはそれに対して「なぜ人の役に立ちたいのか?」と質問した。それを4回繰り返した後、ジョーは言った。
「『なぜ私をここに呼んだのか?』という問いに、あなたは『人の役に立ちたいから』と答えました。次に『なぜ人の役に立ちたいのか?』という問いに、あなたは『人の役に立つのは気分がいいから』と答えました。そこで私が『なぜ人の役に立つのは気分がいいのか?』と尋ねると、あなたは『人の役に立てば事業を発展させることができるから』と答えました。 そこで私が『なぜ事業を発展させることが重要なのか?』と尋ねると、あなたは『家族が誇りに思えるレガシーを残したいから』と答えました。どの答えも素晴らしいと思います」
そのとき私が気づいていなかったのは、どの答えも真実なのだが、頭のなかで考えたものだということだ。どれもよく考え抜かれた答えなのだが、本当の理由に近づいていなかった。
ジョーが「なぜ家族が誇りに思えるレガシーを残すことが重要なのか?」と質問したとき、私は自分の口から出てきた言葉に強い衝撃を受けた。とっさに「昔の生活に戻りたくないから」と答え、とてもせつない気持ちになったのだ。
振り返ってみると、「なぜ?」と何度も繰り返していると、途中で「頭のなかで考える答え」から「心のなかで感じる答え」に切り替わることに気づいた。私は自分の心の声を感じ取り、涙が出てくるのを必死で止めようとした。すると、ジョーは「なぜ昔の生活に戻りたくないのですか?」と尋ねた。