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生き方

「なぜ、あなたは幸せになれないのか」人間関係に悩みやすい人の共通点

加藤諦三(早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

2022年05月22日 公開 2023年07月26日 更新

 

「良い人」をやめる勇気

生きることに疲れたあなたは、長いことヘビが竹筒に入ってまっすぐに進むような生き方をしてきた。他人がまっすぐ進むことを期待したからである。他人に気に入られようとしたからである。

自分の感じ方よりも周囲の人の感じ方にあわせてきた。そして「良い子」と言われてきた。生きることに疲れたあなたは周囲の人に受け入れられることがもっとも重要だったから。

あなたは皆から「良い人」と言われてきたが、それで何を得たのか。生きることに疲れただけではないか。

それに対して周囲の人はどうか。利己主義で、攻撃的で、欲得だけで生きている人がいるではないか。そ

ういう人は生きることに疲れているだろうか。あなたと同じように生命力が低下しているだろうか。

私は利己主義で攻撃的な人と同じようになれと言っているのではない。あまりにも自分を抑えすぎたあなたと、あまりにもわがままな彼らとの違いを考えてほしいのである。

 

自分の生き様を信じること

何よりもいま自分の経験を人に話すことである。自分の失敗の体験を話すことである。それを話せる人を探すことである。

もし見つからなければ日記でも何でもいい。安全なところに吐き出すことである。人に認めてもらうために無理したことを素直に話すことである。

生きることに疲れた人は、心の底にたまった恨み辛みのすべてを吐き出すことである。そうすればきっと幸せが手に入る。それで生きるエネルギーが戻ってくる。

「自分はこの時にこう感じていたけれども、そう思うのが怖かった」とか、「好かれたいからこうしたけれども、本当はするのが嫌だった」とか、「そのうちに何もかもが億劫になった」とか、自分の失敗の体験をありのままに話すことで、自分を出すのである。

そして大切なのは、自分のいままでの生き様を信じることである。失敗したことは恥ではない。それを肥やしにして幸せを手に入れるのである。「私はこう生きてきた」、それでいいのである。

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辛い時こそ、幸せを掴むチャンス

著者紹介

加藤諦三(かとう・たいぞう)

早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員

1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。

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