「なぜ、あなたは幸せになれないのか」人間関係に悩みやすい人の共通点
辛い時こそ、幸せを掴むチャンス
いまあなたは生きることに疲れてしまった。いままでの生き方が愚かな生き方だと分かった。生きることに疲れるという代償を払って、いままでの自分の人生を理解したのである。
生きることに疲れた時は、まさにあなたの生き方を変える時である。幸運へのターニングポイントである。
生きることに疲れた時、それはあなた自身が自らを分かる時であり、周囲の人がどういう人であるか分かる時である。あなたがあなたの人生を理解する時である。
無理して生きている時には、あなたはあなた自身も周囲の人も分からない。それは人間関係を間違える時でもある。
生きることに疲れた時に、初めて誰を大切にして生きていったらいいかが分かる。
あまりにも真面目に合理的に生きてきすぎた。そうしたことを価値があると思いすぎた。だからエネルギーがなくなってしまったのである。
近代合理主義の世界に生きるところにエネルギーの供給源があるのではない。人間の生きるエネルギーの源は、非合理的な感情の中にある。
人間がまだ洞穴の中に住んでいた時の太古の昔の感情の中にある。それはいまだに私たちの脳のある部分には残っている。
その部分と近代合理主義の法則とは違う。生きることに疲れた人は、自分の中にある「洞穴の中の人間」の部分を少しは解放することである。
【著者紹介】加藤諦三(かとう・たいぞう)
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。