“ねこ背”で自律神経も乱れる? 姿勢を改善する「背伸び」のコツ
2022年09月20日 公開
「背伸び」をするだけで正しい姿勢になれる
まずは自分の姿勢をチェックしてみましょう。身長を測るときと同じイメージで、壁に背をつけて、あごをひき、力を入れずに立ってみてください。かかと、お尻、肩、後頭部、ふくらはぎの5カ所が壁につけばOK。どこか1カ所でもつかなければ、あなたの姿勢はゆがんでいます。
ねこ背を治すにはどうしたらいいのでしょう? やるべきことはたった1つ、「背伸び」です。
背伸びは、頭を正しい位置に持ってくるのに最適な方法です。重い頭が体の中心からずれていると、全身のバランスをとるために首から下の筋肉が緊張してゆがみます。
そこで、背伸びをして頭を上に引き上げ、正しい位置へとリセット。丸まっていた背骨が一気に伸びて骨盤が立ち、理想的な背骨の形が復活します。
背伸びなら、1回わずか十数秒。わざわざ道具を買う必要もありません。何度も背伸びをしてリセットを繰り返かえせば、徐々に体が正しい姿勢を覚えていきます。
朝起きたとき、家事や仕事の合間、トイレに行って手を洗ったあと、夜寝る前など、タイミングを決めて1日何回も背伸びをしましょう。
背伸びにやりづらさを感じたら、すでに体のどこかがゆがんでいる証拠。それでも背伸びを続けているうちに、体がリセットされて抵抗なくできるようになります。
姿勢がよくなると、不調の改善とともにスムーズに動ける、疲れにくい、気持ちが明るくなる、などの効果も実感できます。
背伸びをすれば、姿勢はリセットされ、本来あるべき体のポジションをとれます。「背伸びをしたあとの姿勢が正しい姿勢」と体に覚えさせましょう。
【背伸びのやり方】
(1) 足をこぶし1個分開き、両脚はまっすぐ平行にして立つ。手の甲が見えるように、両手を胸の前で組む。
(2) 組んだ手の甲を見ながら、頭の上に上げていく。顔も一緒に上げ、自然とおなかに力が入るのを意識する。
(3) あごを引くように顔だけ正面に戻し、体を上下に引っ張り合うように伸ばす。
(4) ゆっくりと両手を左右から下ろす。そのとき、おなかまわりが引き締まっていることを意識する。
疲れにくい座り方
当院の患者さんやセミナー参加者に1日の時間配分についてアンケートをとったところ、「座る時間:15時間、立つ時間:1時間、寝る時間:8時間」という結果になりました。いかに立つ時間が短く、座っている時間が長いかおわかりでしょう。
私が理想とする立ち時間は8時間です。立つ時間が少なかった人が1時間立つ時間を増やしただけで立派な体幹トレーニングになります。なるべく立つ時間を増やしていきましょう。
座っているときも背筋をまっすぐに保っていれば、正しい姿勢が維持され、疲れにくくなります。デスクワークなどで長時間座ったままになるときは、座ったまま背伸びをして、ときどきリセットしましょう。