やむをえず鳥を置いて避難
鳥が部屋に出てしまいどうしても捕まえられないときに危険が迫ってきたら、とりあえず人間だけで避難するしかありません。その場合も家に残す鳥のためにエサや水をたくさん置いておき、再会できるまでの間、鳥が生き延びられるよう準備しましょう。
自宅のある地域が警戒区域に指定されるなどしてすぐに帰れなくなった場合は、家に鳥を置いてきたことを自治体の動物担当部署に相談します。動物災害救援本部やボランティアさんが鳥の確認や救護をしてくれる場合も。
【「外に放す」は死刑宣告】
「鳥だから外でも生きていける」は人間の思い込み。野鳥と違い、飼い鳥は屋外でのエサの探し方を知りませんし、風に乗ってうまく飛ぶこともできません。カラスや野良猫に襲われることもあるでしょう。
そもそも愛護動物の遺棄は犯罪に当たります。責任もって愛鳥を守ることができるよう、災害への備えを充実させて。
鳥の応急処置
ここで紹介する応急処置は、獣医師を探したり動物病院に連れて行ったりする時間や手段がない場合に、鳥の命が助かる可能性を少しでも高めるためのものです。
可能なら動物病院に連れて行ったほうが確実ですし、連れて行けなくとも連絡が取れるのならば、獣医師の指示を仰ぎながら行ったほうが安全です。間違ったやり方は悪化を招くこともあります。
災害時でも診療を続ける動物病院は多く、過去の災害でも全壊・半壊した動物病院が電気や水が使えないなか必死の救護活動を行っていたことがわかっています。
応急処置を行う際は、飼い主さん自身に危険が及ばないよう安全な場所で行ってください。大声を出したりすると鳥がパニックになるため、何よりも飼い主さんがまず落ち着くことが大切です。
動物病院が見てくれるときはとにかく早く病院に連れて行くのが一番。鳥が動き回って悪化しないよう、小さいプラケースに入れて運びます。
また、哺乳類と鳥類の身体のしくみはまるで異なります。人用の薬はもちろん、犬猫用の薬を飲ませたり塗ったりするのも危険です。