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就活失敗から“年商50億の社長”に...人生の逆転劇を起こした一つの感情

宮下友誠(株式会社ヴァージニア代表取締役社長)

2023年05月02日 公開

 

「マジックワード」で経営者の懐に入り込む

社長には、ビジネスをする上で、いかに「人脈」が大切かについても学ばせてもらいました。社長というと、「自分の力で道を切り開く」というイメージが強いかもしれませんが、「稼ぐ力」のある人であればあるほど、実は、人の手を借りるのがとても上手です。

人脈があるからこそ、利があるとわかれば、自分の畑とは違う新規事業にも人の手を借りて進出することができる。社長は豊富な人脈を持っていました。

私も人脈を作るために、異業種交流会などに積極的に顔を出すようにしました。社長ばかりが集まる経営者の会などには、全身ルイ・ヴィトンでキメている人などもいて、気後れしそうになる雰囲気もあります。

でも、私には自信がありました。「マジックワード」を知っていたからです。

「私も〇〇さんみたいになりたいんです!」

こう言われると、悪い気になる経営者はいません。

成功した人であればあるほど、実は自分の成功談を話したいと思っているんです。マジックワードを言うと、必ず「しょうがねえなあ」という感じで、経営に必要なノウハウをいろいろと教えてくれました。

成功者と親しくなっても、その関係を継続させなければと意味がありません。成功者は「いいやつがいるから、今会いに来ないか」などと、「人と人の縁をつなげる」ことが大好きです。そんなときは、どんなに忙しくても、必ず会いに行くようにしました。

そうすると、「こいつフットワーク軽くて面白いな」と思われるようになって、「呼んだら来る人」というリストに入ります。すると、どんどん人脈が広がって、どこかで自分のビジネスにつながってくれるんです。

 

求められるのは「盗む社員」

「転職や起業をするのに、どんな準備をすればいいですか?」と聞かれることがあります。そんなときは、少し乱暴かもしれませんが、「本気で稼ぎたいと思っているなら、まずは今の仕事をやめるべき」と私は言うようにしています。

確かに、登山やマラソンなどには入念な準備が必要かもしれません。でも、転職や起業に、「ここまでやれば大丈夫」ということはありません。

まずば、今の場所から抜け出すことが先決。市場に出れば、自分がどれだけ稼げる力があるのか分かりますし、追い込まれたらどれだけ頑張れるのかという自分の力量も分かる。試してみて、ダメならその場で修正していくしかないんです。

必要なのは「見る前に飛べ」の行動力。それが無理なら、安定した大企業に安住して、雇われの人生を歩んだ方がいいと思います。

大企業には、多くの優秀な人材がいます。自分の頭で考えなくても、ほかの人の力によって、物事が進んでしまうことがままある。それに慣れてしまうと、いつの間にか、上司に命令されたことを、何の疑問も持たずにそのままやるようになる。自分の頭で考えて行動することをすっかり忘れてしまうんですね。

私が社員に求めるのは、論理的思考力、そして行動力です。

社員には、一経営者、事業部長のような気持ちで仕事に携わってほしいといつも話しています。私のノウハウを盗んで、将来独立してもかまわないとも言っています。そこまでやれる社員こそが、会社にとって本当に必要な人材だと思っています。

【宮下友誠(みやした・ともなり)】
1984年神奈川県小田原市生まれ。大学卒業後、ネット PR 会社に就職し、 2 年後にインターネット広告代理店に転職。営業・役員として活躍し、2011年12 月に 27 歳でインターネット広告会社を起業。主に美容系企業のマーケティングコンサルティングに携わる。その後、痩身エステサロンの代表として店舗運営に携わった後、2016年8月に株式会社ヴァージニア(https://virginiaclass.jp/)を設立し、代表取締役社長に就任。

 

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