まだ慣れないスーツを着た、初々しいビジネスパーソンたちを街中で見かける季節になりました。新社会人たちを眺めながら、「あの頃の自分には無限大の可能性が広がっていたはず...」と振り返る人も多いのではないでしょうか。
「今からでも2倍速で成功することはできる」と語るのは、株式会社ヴァージニアの代表取締役社長の宮下友誠氏。美容業界にDX革命を起こし、年商50億円を超える若きカリスマとして注目される存在です。
しかし、学生時代は地味で目立たず、就職活動にも失敗したといいます。そんな宮下氏がだからこそ語れる、逆転のためのメソッドを紹介します。
「見栄っ張り」だからこそギアが入った
学生時代の私は、今とは違っておとなしく、地味で目立たない存在でした。何かを成し遂げたいという気持ちもなく、競争意識などみじんもなかったので、就職活動には大いに出遅れてしまいました。
そんな中で、なんとか滑り込んだのが、小さなITベンチャー。志があって選んだわけではなく、当時はITベンチャーが注目され始めていたので、「ホリエモンのようになりたい」という浮ついた気持ちから決めたものでした。
働き始めて、ようやく現実を突きつけられました。就職活動を頑張った大学の友人たちは、やりがいのある仕事でガッツリ稼いで、いいマンションに住んで、いい車に乗って、彼女もいて、プライベートも満喫している。
でも、私は何のやりがいも持たずにダラダラ働いて、給料も少なく、住んでいるのは古いアパート。遊ぶお金がないから、当然彼女もいない。この格差はなんだろう?
私も友人たちも、同じ大学で同じように学んでいたのだから、自分だって本当はこんな風になれるはず。こんな自分はみじめすぎる。負けたくない、とにかく「お金持ちになりたい」と心にギアが入ったんです。
若い頃って、みんな見栄っ張りで、互いにマウントを取り合っているようなところがありますよね。実は、この「見栄っ張り」な心はとても大切。知性でも理性でもなく、むき出しの「感情」を素直に燃やすこと、それは成功の大きな原動力になると思います。
「オープンクエスチョンは絶対にするな」
そうと決めたら、最短最速で「稼ぐ力」が欲しい。安直なのですが、「すごく稼いでいる社長の下で働けば稼ぐ方法を盗めるはず」と考えました。
もちろん、「すごく稼いでいる社長」なんて、世の中に星の数ほどいます。でも、「稼ぐ方法を盗む」には、大企業に入っても意味がない。大企業では、盗むどころか、社長の姿を目にすることすら滅多にありませんからね。
私は、社員数わずか6人という会社に転職することにしました。人数が少なければ、社長との距離が近くなると考えたからです。インターネット広告を扱う代理店だったのですが、正直、どんな事業をやっているのかはどうでもいいことでした。知りたかったのは、「稼ぐ方法」だけだったので。
私の目論見は当たりました。6人なので、とにかく人手が足りない。人事、営業、新規事業など、さまざまな仕事を任せてもらえるようになりました。それにより、大企業のビジネスパーソンと比べて、「2倍速」で、経営の構造などが理解できるようになりました。
社長直属で働かせてもらえたので、社長の考え方をいろいろと聞くことができました。たくさん怒られながら、多くのことを学びました。
中でもよく覚えているのが、「オープンクエスチョンは絶対にするな」という言葉。オープンクエスチョンとは、イエス、ノーで答えられる質問ではなく、相手に主体性を求める質問のこと。
つまり、オープンに質問をするということは、「何も考えていない」ということに等しいんです。経営者は秒単位で忙しいので、時間をかけずに的確な判断をしたい。
特にそんなときは、「どうすればいいですか?」ではなく、「私はこうしたいので、こうしてもいいでしょうか」という、「クローズドクエスチョン」をすべきです。
クローズドに質問ができる人は、物事の本質を的確に理解できている人。社長のもとで働き、何度も怒られながら、徐々に力を蓄えていきました。