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“残業ゼロ”で「アッ」といわせる仕事をするコツ

夏川賀央(人材プロデューサ)

2012年06月25日 公開 2022年12月26日 更新

夏川賀央

「必要最低限」では、望む以上の成果は出せない。

アウトプットは、もちろん仕事で何かを実行することのほかに、書いたり、話したりと、自分なりの表現にまとめる作業も意味しています。

それは作家でもない、講演家でもない、自分はペーペーの社員に過ぎないんだ……などと思っている人には縁遠い作業のように思えるでしょう。

けれども、そうではありません。自分のオリジナリティを磨き、成長したいと思っている人にとって、アウトプットは必須の作業だと思います。

たとえばある経営者は、若手社員だったころから、誰かをつかまえては自分が読んだ本を説明するという作業を繰り返しました。

説明するということは、ただ本を読んで「面白い」というだけでなく、それを自分なりに落とし込んで、「これこれこういう理由で面白いんだ」とアウトプットするのですから、考えたことが自分のなかに落とし込まれます。

仏教用語でも、見たり、聞いたり、読んだりしただけのことは「知識」。

知識をもとに考えて、「自分なりの意見」を構築したものが「智慧」であり、その「智慧」がなければ人は成長していきません。

いずれにしろ、誰かに説明して「智慧」を増やしていったこの人は、やがては会社で成果を発揮し、今は会社を立ち上げて成功しているわけです。

現在なら誰かをつかまえなくたって、この作業は簡単にできますね。それこそ読んだ本の感想をプログにして発信していくのだっていい。読んだ本の内容を紹介し合う「読書会」のような場など、探せばいくらでも見つかるでしょう。

ビジネス書を読むことでも、セミナーで講演を聴くのでも、今まで重視されてきたのは前に述べたように、「てっとり早く知識を得る」ことです。

だから本などでも、自分が知りたいことだけ知って、あとは飛ばしてしまうような「速読」が人気を集めていました。確かにそれは効率的なのですが、あまり自分を成長させることはできません。

なぜなら「知りたいこと」しか、あなたは知れないのです。

自分の頭のなかで「こうした情報が欲しい」と思っていることばかり、効率よくほじくり返したのでは、「ああ、こういうこともあったんだ」とか「こういう世界は知らなかったなあ」という、新しい思考を自分にもたらすことはできません。

「必要最低限のことを知って、効率よく結果を出そう」では、人の出した結論に飛びついているだけ。自分独自のノウハウを開発するには、なかなかいたらないのです。

それでも書いたり、話したりということを続けていけば、何度も自分の問題を頭で考えていくことになります。

まずは自分の仕事に関することでいい、とにかく関連する何かを読んで、「その仕事をどうやるか」について根気よくアウトプットする作業を続けてみてください。

あなたの頭のなかには「他の人と違うオリジナルなこと」が蓄積されていくはずです。

 

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