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冷えすぎに要注意...夏バテの原因「自律神経の疲れ」が和らぐ8つの習慣

川嶋朗(医学博士)

2023年08月05日 公開 2024年06月05日 更新

冷えすぎに要注意...夏バテの原因「自律神経の疲れ」が和らぐ8つの習慣

暑さで食欲がわかず、取れない疲れにグッタリ...。そんな夏バテの原因には「自律神経の乱れ」が潜んでいます。正しい対策をとって夏の不調を予防・改善しましょう! 医師の川嶋朗さんが見直すべき習慣について解説します。

【川嶋朗(かわしま・あきら)】
医学博士。1957年生まれ。北海道大学医学部医学科卒業。2022年より統合医療SDMクリニック院長。人の自然治癒力を高めることを重視し、近代西洋医学と補完・代替医療を統合した医療の教育を日本の医療系大学で実践中。『毎日の冷えとり漢方』(河出書房新社)など著書多数。

※本稿は、月刊誌『PHP』2023年8月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

夏バテに共通する原因

だるい、食欲がない、胃腸の調子が悪い、疲れがとれない...。夏バテの症状は人それぞれですが、これらに共通する原因として「自律神経の疲れ」が考えられます。

ヒトには外界の変化にかかわらず、体内環境を一定に保つ恒常性(ホメオスタシス)という機能があります。たとえば暑いときは、血管を拡張させて血液量を増やし、体の表面から熱を逃がして体温を下げようとします。逆に寒いときは、血管を収縮させて血液量を減らして、熱が外に逃げないようにします。

そのように自律神経は血管を拡張したり、収縮したりして、体温調節をしてくれているのです。そのおかげで、私たちは体温を一定に保つことができます。

 

激しい寒暖差が負担をかける

ところが、夏は冷房を使うために室内外の温度差が大きくなります。私たちが暑い場所と涼しい場所を行ったり来たりすると、自律神経は体温を一定に保つために一生懸命働かなければなりません。夏のあいだずっと、このような体温調節を繰り返していると、自律神経は疲弊してしまい、機能が低下してくるのです。

自律神経は体温だけでなく、全身の血管や内臓の働きなど、体中の器官をコントロールしているため、自律神経の働きが乱れると、さまざまな不調が起こります。

夏を元気に乗り切り、秋に不調を持ち越こさないためには、自律神経を疲れさせないこと、また多少の温度変化があっても自律神経が乱れない体づくりが大切です。

 

交感神経と副交感神経

夏バテ予防と改善のかなめとなる自律神経の働きを確認しておきましょう。

自律神経は呼吸や心臓の働き、体温などを意思とは関係なく調整し、さまざまな生命活動をコントロールしています。

自律神経には心臓の動きを速くしたり、血圧を上げたりすることで積極的な活動を支える「交感神経」と、心臓の動きをゆっくりにするなど体をリラックスさせる「副交感神経」の二種類があります。

基本的には、体を動かす日中は交感神経が活発に働き、体を休める夜には副交感神経が優位になりますが、この2つの神経がシーソーのようにバランスをとりながら、すべての臓器をコントロールしているのです。私たちが健康でいるためには、交感神経と副交感神経がバランスよく働いていることが重要です。

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