「なんとかなる」の感覚はどうやって身につく? 漠然とした不安の対処法
2023年12月19日 公開 2024年12月16日 更新
「うまくいったこと日記」を書く
【小さな成功体験を可視化する】
適度な課題をクリアしていくことによる「成功体験」は処理可能感につながりますが、「成功体験なんてない」「いつもうまくいかない......」というタイプの人もいらっしゃいます。
そういう場合はどうしたらいいでしょうか。
「成功体験なんてない」「いつもうまくかない」という人でも、落ち着いて自分の日常をふり返れば、多かれ少なかれ「成功体験」といえるものはあるはずです。
・職場にきた新しい人とはじめて話せた
・卵焼きがいつもよりうまく焼けた
・パソコンの不調を、詳しい人に聞いて解決できた
・クレームを受けた同僚をフォローして、うまく切り抜けることができた
など、よくよく考えてみれば、「うまくいったこと」「なんとかなったこと」などの成功体験はあるものです。それらを「うまくいったこと日記」として記録してみてください。
【メモするだけでも十分】
「日記」 と聞くと「めんどくさそうだな」と思う人もいるかもしれません。しかし就寝前に簡単にメモするだけでも十分です。まずは1週間続けてみてください。
ちなみに、就寝前にうまくいった気分を思い出すと質の良い睡眠につながるというメリットもあります。1日の終わりに、「今日の自分の行動でうまくいったことは何だっけ?」と思い出して書いてみてください。
人によって「うまくいった」「成功」の定義は異なりますし、毎日何気なく過ごしてしまって、うまくいったことを取りこぼしている可能性もあります。
落ち込んでいたり凹んでいたりすると、思考がネガティブになって、よいことに目が行きづらいこともあります。よいことが思い浮かばない日は、無理に日記を書かなくても大丈夫です。そういう日は、今まで書いたうまくいった行動を見るのがおすすめです。
「あ、こうしてうまくいったんだった」と気づくことがあれば、同じような行動をしてみるのもいいでしょう。それを試してみることで、さらなる「うまくいった」経験につながることもあります。
自分なりのストレス解消法をストックしておく
【ストレスがたまっているときにやることは?】
「なんとかなる」と思える力を高めることは大切ですが、「今、この瞬間のストレスをどうにかしたい!」ということもあるでしょう。
怖い上司からイヤな仕事を振られた、責任の重い仕事がうまくいってない、嫌いな人に常識外のひどいことを言われたなど、働いているとストレスがたまることはよくあります。「ストレスでいっぱいだ」と感じたとき、ストレス解消のためによくやる行動はありますか。
例えば、次のような行動です。
・納期が近くて残業続きだと、コンビニでスイーツを買って食べる
・職場で雰囲気が悪くなると、休憩室に行く
・仕事で理不尽なクレームを受けたときは、リフレッシュするために温泉に行く
人は、自分にふりかかった出来事を「ストレッサ―(ストレス要因)」として認知すると、それに対する、「コーピング(ストレスに対処するための行動)」を実行します。左のようなことです。
・残業(ストレッサー)→コンビニでスイーツを買う(コーピング)
・雰囲気の悪さ(ストレッサー)→休憩室に行く(コーピング)
・理不尽なクレーム(ストレッサー)→リフレッシュするために温泉に行く(コーピング)
コーピングが成功すればストレス反応(ストレスによって心身や行動面に出る反応のこと)は改善します。一方でこの過程がうまくいかないと慢性のストレス反応につながる可能性があります。
そして、「このストレッサーに対しては、自分は、このコーピングが効いた」といった成功体験を把握しておくといいでしょう。
自分が抱えているストレッサーに対して、柔軟に、適切なコーピングを選択できるようになると、ラクに生きられるようになります。ストレスフルな状況でもつぶされずに、ある程度余裕をもって行動できるようになるのです。