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公認心理師が語る「ストレスに弱い人・強い人」の違い

舟木彩乃(公認心理師)

2023年12月22日 公開 2024年12月16日 更新

公認心理師が語る「ストレスに弱い人・強い人」の違い

働いているとしんどいことや、不安になること、落ち込むことやイライラすることは少なくありません。心の健やかさを保つためにも、ストレスにうまく対処できる能力は現代人の必須スキルです。

そこで、ストレスに対処する力のひとつとして注目したいのが「首尾一貫感覚」。

ここではこの「首尾一貫感覚」について、ストレスマネジメントの専門家で、これまでのべ1万人以上の相談に乗ってきた舟木彩乃さんが解説します。

(イラスト:kikii  クリモト)

※本稿は『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一部抜粋・編集したものです。

 

首尾一貫感覚とは、ストレスにうまく対処する力

首尾一貫感覚

人生はストレスの連続です。働いていると、いろいろなことがあります。

・職場の人間関係が悪く、気をつかうことが多くてつらい
・上司の言うことがコロコロ変わってふりまわされる。もうイヤ
・やることがいっぱいで残業続き。仕事に追われる毎日に疲れた
・部署が異動になってから、仕事がつまらない。この先が不安
・昇進したものの、部下のマネジメントや売上目標のノルマがきつい

こうした状況や環境にストレスを抱え込む人も多いのではないでしょうか。

仕事をするうえで、ストレスとなることはたくさんあります。「ストレスなんて何もない」なんていう人のほうが圧倒的に少ないでしょう。

隣の人の雑談している声がうるさい、上司の書類チェックが細かすぎるといった日々のちょっとしたストレスから、「職場の人間関係が殺伐としていてつらい」「会社から責任の重い仕事をまかされ、休みがとれない」といった大きなストレスまで、私たちの仕事はストレスの連続といっても過言ではありません。

できれば、こういったストレスにうまく対処して、落ち込みすぎたり、心や体の健康を損なったりすることなく、仕事をしていきたいと思いませんか。

そんなストレスにうまく対処するのに役に立つ力が、「首尾一貫感覚」です。

 

長い人生を生き抜くのに役に立つ

首尾一貫感覚とは、もう少し詳しくいうと、「ストレスフルな出来事を状況に応じて柔軟かつ素早く適切な方法を選択、駆使しながらしなやかに乗り越えることができる力」です。

自分のいる部署がなくなったり 、会社が倒産したりするなどの「あーもうダメだ」といった大ピンチは、世の中にいくらでもあります

もちろん仕事以外にもピンチはあります。病気になったり、突然の事故にあったりすることもあるでしょう。あるいは、出産して子育てと仕事の両立に大変な思いをしたり、パートナーとの関係で悩んだり、親の介護で大きな問題を抱えたりすることもありえます。

こうした人生のいろいろな場面で起こる多くのストレスフルな出来事に対して、首尾一貫感覚は、「しなやかに対処する力」「したたかにストレスを糧にする力」をくれるのです。

ましてや人生100年時代、働く期間も長くなっています。働く期間が長くなったぶんだけ、予期せぬピンチやストレスの大きい出来事にみまわれる確率は増えます。

働く人生をうまく生き抜くためにも、首尾一貫感覚は役に立つといえるでしょう。

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首尾一貫感覚を知ろう

著者紹介

舟木彩乃(ふなき・あやの)

ストレスマネジメント専門家

公認心理師・精神保健福祉士。博士(ヒューマン・ケア科学/筑波大学大学院博士課程修了)。博士論文の研究テーマは「国会議員秘書のストレスに関する研究」。メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー)副社長。文理シナジー学会監事。企業広報ネットワーク理事。AIカウンセリング「ストレスマネジメント支援システム」発明(特許取得済み)。カウンセラーとして約1万人の相談に対応し、中央官庁や地方自治体のメンタルヘルス対策に携わる。Yahoo!ニュースエキスパートオーサーとして「職場の心理学」をテーマにした記事、コメントを発信中。著書に『なんとかなると思えるレッスン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『発達障害グレーゾーンの部下たち』(SBクリエイティブ新書)、『あなたの職場を憂鬱にする人たち』(集英社インターナショナル新書)等がある。
https://x.com/funakiayano
@funakiayano

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