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上司へ報告すべきタイミングは“2割完成したとき” 仕事ができない人に多い完璧主義

大村信夫(片付けパパ)

2024年12月11日 公開

大村信夫著『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』

上司やクライアントからの依頼は、どこまでできた時点で報告相談するのがベストなのか。仕事や整理ができる人は2割で上司に確認し、できない人は全部完成させて確認することが多いと言う。そのタイミングを片付けのプロ、大村信夫氏が語る。

※本稿は、大村信夫著『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)より一部抜粋・編集したものです。

 

上位8割の要因が全体の結果8割に寄与するという経済法則は、時間と完成度にもあてはまる

あなたは、上司から頼まれた仕事を、いつ上司に確認していますか?

会社員であれば上司から仕事の依頼があります。またフリーランスの方でも、上司ではなくクライアントから仕事の依頼はやってきます。

その際に、どのタイミングで確認してもらうのが良いでしょうか?

それはずばり「見積もりの2割ほど作業した時点」です。

よく「2:8の法則」と言われますよね。これはパレートの法則というもので、上位2割の要因が全体の結果8割に寄与するという経済法則ですが、これを時間と完成度にあてはめています。

例えば資料作成の場合、完成までにかかる見積もり時間に対して、2割程度の時間で一度内容を確認してもらいます。パレートの法則に従うと、この「2割の時間で作成した資料の中に、資料全体の8割の要素(目的やストーリーなど)が含まれている」ため、この時点で確認することで、手戻りを大幅に減らすことができます。

中途半端な状態の資料を見せるのは気が引けると思うかもしれませんが、締切日に全く意図しない資料を持ってこられるよりもずっとよいのです。

 

2割作業した時点で上司とイメージを共有し、ムダな時間を使わない

昔、まだ入社3年目のころ、上司から「来週、社長へのプレゼンがあるから、パワポ(PowerPoint)に資料をまとめておいてくれ」と言われました。

内容はわかっているので、きっちりと丁寧に作りこみ、期日前に上司に自信満々に提出したのです。

でも、上司から言われたのが、「え、こんなに丁寧にやる必要はないのに...」

社長へのプレゼン資料は、上司からの指示で各担当が資料を作成し、それを上司がきれいに整えて完成させていました。

そのため私は、何時間も手間暇をかけてきれいに整えて提出しましたが、ここまで丁寧に資料を整える必要はなかったというのです。

よくよく聞くと、上司が私に対して作って欲しかった資料というのは、あくまでも社長から補足説明を求められたときのバックアップ資料であり、すでにあるExcelを張り付けて、ちょっとコメントを書いておいてくれればよかっただけだと言われたのです。

それであれば2時間ほどで終わった仕事でした。しかしながら社長に見せる資料だと思った私は、10時間もかけてしまったのです。

はじめの2時間で上司に確認しておけば、上司が期待するアウトプットは完成できていたのです。

このことがあってから、私は依頼された時に具体的なアウトプットイメージをその場で上司とすり合わせることはもちろんのこと、見積もり時間の2割程度という早目のタイミングで上司に確認をするようにしました。

それにより、手戻りやムダ作業が圧倒的に少なくなったのです。

上司に確認するときには、資料の内容はもちろんのこと、資料の見栄え(フォントの種類や大きさ、アニメーションの有無など)も確認しましょう。良かれと思って自分で作りこんでしまうと、修正するのに手間が掛かってしまいます。

ぜひ皆さんも、しっかりと完成させてからではなく、見積もり時間の2割程度で上司に確認するようにしてください。

著者紹介

大村信夫(おおむら・のぶお)

片付けパパ

青森県三沢市生まれ。静岡県掛川市にて育ち、現在は東京都在住。共働きで3 児(大・高・中)の子育てパパ。
国立大学法人東京農工大学卒業後、家電メーカーに入社。現在もフルタイムで勤務しながら「片付けパパ」として活動。モノを整理することで「心」や「思考」も整理され、プライベートや仕事の進め方、人間関係など人生全体に好循環が生まれるオリジナルメソッドを提唱。これまで企業を中心に「片付け」「仕事の生産性」「キャリア」などのテーマで3 万人以上が受講し、満足度(5 段階評価4 以上)は96%を超える。
新聞や雑誌をはじめメディア取材、執筆など幅広く活動中。

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