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「日韓情勢の悪化」で得するのは北朝鮮と中国

拳骨拓史(作家)

2012年10月26日 公開 2022年07月08日 更新

日本の同盟国にはなり得ない

日本と韓国はともに、アメリカを基軸とした軍事グループに所属しており、経済活動も同様である。それゆえ日本は韓国を、志を一にする仲間と思いがちだ。

こうした日本の思い込みは現在に限らず、過去にも多くあった。

たとえば7世紀、朝鮮の三国時代、中国に唐が興り、周辺に勢力を拡大し始めた。朝鮮半島では新羅が唐と同盟を結んで朝鮮統一を図り、唐の拡大を恐れた日本は百済を支援したが、白村江の戦いに敗れ、新羅の統一が成る。しかし新羅はその後、唐の脅威を一身に受けることとなり、唐との対立を経て従属することとなった。

また16世紀末の朝鮮出兵においても、大航海時代によって迫り来る西洋への対抗という狙いが背景にあったが、朝鮮や中国(明)はその脅威に目を向けず、朝鮮は明に頼るままだった。その結果、その後の弱体化した明から清への王朝交代により、朝鮮は中国と屈辱的な隷属関係を結ぶことになる。

同じことは明治期にも起こった。日本は西洋列強のアジア侵略に富国強兵で対抗しようとし、日本は積極的に朝鮮に近代化を求めるが、朝鮮は中国を頼るばかりで、まったく対抗策を打ち出さない。

それどころか日清戦争後には、ロシアが露骨に東アジアに侵略の手を伸ばしてくると、朝鮮は中国の代わりにロシアに付けばよいとばかりの態度だった。このことが日露戦争の直接の原因となり、日本がころころと大国に付こうとする朝鮮に業を煮やしたことが日韓併合の遠因となった。

このように日本は、文化的な背景を共にする隣国、朝鮮に期待をし、ことごとく志を同じくできなかったのが歴史の真実である。

しかし、これらの事実を朝鮮の不義となじってはならない。むしろ日本の過度の期待や、誤った朝鮮への認識が招いた、日本の自業自得と反省すべきである。

そしてわれわれ現代に生きる日本人は、正しく朝鮮、韓国の歴史を理解して、これらと同じ轍を踏まないことが必要だ。

 

日韓のケンカで得するのは北朝鮮と中国

日本と韓国は時に反目し、時に提携して歴史の荒波を乗り越えてきた。

そして現在、日本と韓国の間には、領土問題という大きな壁がそびえ、両国の関係は悪化の一途をたどっている。

では私たちは今、混迷を迎えつつある日韓関係を、どのように乗り越えていけば良いのであろうか。

テレビやマスコミなどで報じられる韓国通の識者は、口をそろえて李大統領の天皇陛下に対する謝罪要求発言を「支持率低下を食い止めるため」「身内の不正で逮捕者が出たため、愛国者であることをアピールして保身をはかるため」と述べているが、はたしてそれだけであろうか?

金日成は朝鮮戦争で韓国を制圧できなかった理由を、背後にいる日本国内における工作活動が不十分であったからだと述べている。

だが朝鮮戦争後60年を経過し、北朝鮮は韓国国内へスパイや工作員を送り込み、日本の左翼勢力と提携して日韓が互いに反目し合うように工作を行っていることについてはマスコミは一切報じようとしない。

日韓がケンカをして得をするのは、北朝鮮に他ならない。

安長江〈あんちょうこう〉大韓教育連合会副会長から聞いた話によると、教員組合などなかった韓国に日教組が入り込み、教師に教員組合のつくり方を指導した。

そして、反対する年輩教師を追い出すため、教師の定年を45歳に改悪した。日教組方式の反日と北朝鮮礼賛を韓国の子弟に教育することで、日本を孤立させようとしているのだ。

インターネットでは韓国の小学生が日本に爆弾を落とし火の海になっている絵を描き、地下鉄で展示されている様子が動画として流されているが、このような狂った教育を韓国に植えつけたのは間違いなく「反日」日本人なのである。

私たちが本当に「敵」だと認識すべきは、韓国ではなく北朝鮮であり、「反日」に狂奔する日本人である。

韓国は北朝鮮の、そして「反日」日本人の工作により正気を失い、反日活動をしているに過ぎない。韓国をどれだけ批判しても、ほくそ笑むのは北朝鮮である。

日本人は韓国という"幻影"を斬るのではなく、本体である北朝鮮批判を強める必要がある。

それと同時に、日韓が彼らの工作活動に乗せられない方策を考える必要がある。

 

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