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2千人以上の転職に携わった専門家が実感する「縁に恵まれる人」の条件

森本千賀子(転職エージェント)

2025年06月23日 公開 2025年12月09日 更新

2千人以上の転職に携わった専門家が実感する「縁に恵まれる人」の条件

人を喜ばせ、自分も楽しむ人に縁は舞い込んできます。転職エージェントとして活躍する森本千賀子さんが、自身の経験から"縁に恵まれる人"の特徴や考え方を教えてくれました。

※本稿は、月刊誌『PHP』2024年6月号より内容を抜粋したものです。

 

縁に恵まれやすい人とは

私の仕事は「転職エージェント」です。仕事を求める方と、よい人材を求める会社とのご縁を紡ぐお手伝いをしています。これまで3万名を超える転職希望者の方と接点を持ち、2千名以上の方の転職に携わってきました。

その経験からつねづね実感するのが、よい会社や人との出会いがある方は、「縁」を味方につけている、ということです。縁を味方につけるには、偶然を偶然で済ませずに目の前の出来事をプラスに考え、楽しむことが大切。縁に恵まれるかどうかは、考え方しだいで変わります。

転職した人が、新しい職場で思いがけない仕事の困難や人間関係の悩みに直面することも。そのときに、「ここは自分の居場所じゃない......」と、すぐにネガティブに考える人は縁に恵まれず、環境を変えてもまた同じような不満を口にして、いつまでも転職を続けることにもなりかねません。

一方で、多少の困難もプラスに考え、目の前の仕事に一生懸命になれる人は、転職先でも周りからの信頼を得られます。その結果、よい縁に恵まれやすいのです。

 

一見つまらない仕事も縁に変える

私自身も仕事に限らず、目の前の出来事を楽しみ、プラスに考えるよう意識してきました。たとえば先日、次男の卒業式で保護者代表あいさつを引き受けました。実は代表者を探していると担任の先生から聞いたのですが、誰も手を挙げる方がいなかったのです。話す内容を考えて練習するなど事前準備が必要で、正直に言うと少し面倒くさい気持ちもありました。

しかし、次男の中学の卒業式は一生に一度。卒業するまでに多くの方にお世話になったことを思うと、その感謝を伝えられる場が得られたことは本当にありがたく、貴重な機会だと前向きに取り組めました。

仕事においても、一見つまらないと思える仕事も縁と考え、「自分でおもしろくする」ことを心がけていました。

たとえば、若手時代に頼まれたコピー取り。「カラーかモノクロか、両面印刷か」など、相手の気持ちや使う状況を考えて楽しんで取り組みました。そうすることで資料の使いやすさは格段に上がり、その工夫を上司に喜んでもらえました。

どんな仕事も、相手に喜んでもらうことが不可欠。喜んでもらえれば信頼され、新たな仕事を任せてもらえるようにもなります。すると新たな縁も生まれてくる。そう考えると、「人に喜んでもらおう」とつねに考える習慣を持つことが、縁に恵まれるコツと言えるかもしれません。

人に喜んでもらおうと日々考えるのは難しいし疲れる、と思う方もいるでしょう。でも、自分自身がうれしいと思うことを実行すればよいのです。洗顔や歯みがきのように、習慣化すれば負担に感じません。

私自身の人に喜んでもらうことを考える習慣の原点は、子供時代にあります。小学生のとき、一つ年下の弟が難病にかかり、「自分にできることはないだろうか」と悩んだのがきっかけでした。担任の先生に話すと、「偉人伝」を読むことを勧められました。

そこで、図書館にあった伝記シリーズを次々に読破。そのなかで気づいたのは、偉業を成した人の共通点は例外なく、「世のため、人のため」に人生をささげていることでした。

以来、電車で席をゆずったり、クラスで誰もやりたがらない係を引き受けたり、小さな「利他」を日々実践。一つひとつは小さくとも、習慣化するとやめられないもの。

今や、「人のためにできることは何か?」を考えることが人生の目的です。「頼まれごとは試されごと」、お願いを快く笑顔で引き受けられる人でありたい。断ることは簡単ですが、むしろ断ってしまうと違和感を覚えるくらいになりました(笑)。

祖母の言葉にも、強い影響を受けました。「困っている人が、『相談してみよう』と真っ先に頭に思い浮かべる人になりなさい。誰かのためにしてあげたことは、きっと恩送りとしていつか自分に還ってくるよ」と教えられました。

それを当てにして利他に勤しんだわけではありません。ただ無心に、習慣的に実践していたら、本当に還ってくることを実感しました。仕事で全社トップの成績をあげられ、独立を果たし、プライベートでもよい仲間ができるなど、さまざまなご縁に恵まれました。本当に感謝に堪えません。

 

できたご縁を長続きさせる秘訣

とはいえ一度できたご縁でも、歳月が経つと疎遠になってしまうことも。そんなとき、ご縁を続けていくためのおすすめの習慣が「年に2回のごあいさつ」です。

以前、営業先の保険会社でいただいた資料に、契約成立後のお客様とコンタクトをとる頻度は年に2回くらいがベスト、とありました。私もそれにならい、ご縁のある方々には毎年、年賀状と暑中見舞いをお送りしています。長くお会いしていないお客様にも、定期的に消息をお知らせしていれば、何かの折に「この件、彼女に頼もうかな」と思い出してもらえます。

プライベートでも同じです。友人、知人が私に何か相談したいなと思ってくれたとき、「でも、長く連絡を取り合ってないし......」と遠慮されてしまうこともあります。年2回のコンタクトは、そのハードルを取り除くのに最適な習慣です。長く縁をつなぐためにぜひ試してみてください。

 

【森本千賀子(もりもと・ちかこ)】
1970年、滋賀県生まれ。獨協大学卒業後、'93年にリクルート人材センター(現リクルート)に入社。1年目で営業成績トップとなる。以降、全社MVPなど数々の賞を受賞。2017年にリクルートを退社し、株式会社morichを創業。講演活動や執筆業でも活躍中。

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