先人の知恵満載!『この20人は、なぜすごいのか』(泉 秀樹:著)
2013年01月31日 公開 2024年12月16日 更新
今を乱世と呼ぶ人がいる。国民不在の政局、沈み続ける日本経済、ほんの数年先の未来がまったく読めない時代に、自分の居場所すら惑う人も多い。それは今までのセオリーが通用しなくなったからだ。しかし、そんな先行き不透明な時代だからこそ、「歴史に学ぶ」という視点が必要になる――。
本書『この20人は、なぜすごいのか』(PHP文庫)は、著者・泉秀樹氏がNECのビジネス情報サイト「Wisdom」に連載している『今に生きる歴史を動かした男たち』 (会員のアクセス数第1位)から、今の日本に強烈な影響を与えた中世・戦国・幕末の“すごい”先人たち20人を厳選し、その考え方・戦い方を解説したものだ。
「上杉謙信――自分の強さと弱さに向き合い続ける」「伊達政宗――組織のなかで自分を成長させた教養の人」「藤堂高虎――人間を見抜く者が時代の先を見通せる」「竹中半兵衛――私心を捨て去ることで物事の本質が見えてくる」「源頼朝――生きることへの執着」「西郷隆盛――人を愛し、愛されたリーダー」など、混迷の時代を生き抜く指針を今に伝える。
すごい先人たちの「乱世を生き抜く闘争力」「名補佐役の戦略力」「天下取りの構想力」「乱世を変える決断力」から、現代のビジネスに活きる知恵がきっと見つかる一冊だ。
<著者メッセージ> はじめにより
今を「乱世」だという人がいる。
長く続いている政局不安定、経済不況による失業、貧困層の増大。
そして、2011年3月11日、未曾有の震災が東日本を襲った。
1000年に1度という大津波が容赦なく町を押し流し、海は多くの命を飲み込んだ。
想像を聴する惨状に日本だけでなく世界が息を飲み、言葉を失った。
いうまでもない。津波被害だけではなく、人類史上最悪の原発事故が日本を襲っている。次から次へと追い打ちをかけるように、私たち日本人を痛めつけるように。
3.11以降、ますます日本経済は低迷し、政治はさらに混迷の度合いを深めている。たしかにこれは「乱世」だ。
身辺を見回しても、我が身を考えると、不安になるという人は多いはずだ。これまで有効だったセオリーが役に立たない。会社の収益は伸びず、給料は下がる一方である。給料が下がるだけならまだましで、リストラされたり、会社が倒産したら一気に失業者である。「希望を持てない」といって心を病む人も多いと聞く。
しかし、本当に希望はないのだろうか?
いや。
希望はある、と私は考えている。
日本人はかつて何度も難局をのりこえてきた。先人たちはあらゆる困難に耐え、そのつど這い上がって、日本という国を作り上げてきたのだ。少しでもそんな先人たちの生き方を読者諸賢に知っていただきたい。希望を持ってほしい。そう思い、筆を起こした。
本書で紹介する20人の先人たちは、すべて「すごい」男たちだ。
「すごい」にもいろいろ種類がある。天下統一をした、というのはもちろんすごい。
しかし、そこに至るまでには、とてつもない逆境があり、血のにじむような努力があった。最初からすごい男だったわけではない。
また、リーダーがいれば、必ず補佐役も必要だ。補佐役として才能を発揮し、リーダーを成功に導いていく、そんな「すごい」男もいる。
本書が、あなたらしい生き方をつかむ一助になれば幸いである。
ビジネスの、また人生のあらゆるシーンであなたはどうふるまうべきなのか。かつての「すごい」男たちの処し方を学んで、参考にしていただきたい。
そして、これら20人のなかからあなた自身の「すごい」男を見つけてほしい。それが今の「乱世」を生き抜く方法になるだろうし、この混迷を極める時代を切り拓く武器になってくれることだろう。
泉 秀樹 (いずみ・ひでき) 作家
1943年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。産経新聞社、三田文学などで記者・編集者を経て、73年に小説『剥製博物館』で第5回新潮新人賞受賞。
著書に『文物の街道』(恒文社)『海の往還記』(中央公論社)『戦国街道を歩く』(立風書房)『日本暗殺総覧』(ベストセラーズ)『戦国なるほど人物事典』『歴史人物・意外な伝説』(監修)『47都道府県「戦国武将」事典』(監修)(以上、PHP文庫)『探訪日本の美味名産』(学習研究社)『士道の本懐』(PHP研究所)などがある。