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ふわふわの雛が誕生! サンシャイン水族館で見られる「ケープペンギン夫婦の初めての子育て」

PHPオンライン編集部

2025年11月18日 公開 2025年12月09日 更新

ふわふわの雛が誕生! サンシャイン水族館で見られる「ケープペンギン夫婦の初めての子育て」

東京・池袋のサンシャイン水族館で、ケープペンギンの雛が2025年10月14日(火)に誕生しました。両親はオスの「ピンクライム」とメスの「くるみ」で、2羽にとって初めての子育てです。今回の誕生は同館では約1年半ぶりの朗報で、親子の様子は屋外エリアのマリンガーデン「草原のペンギン」水槽で公開されています。

 

ケープペンギンってどんな生き物?

サンシャイン水族館
展示の様子

ケープペンギンはアフリカ大陸沿岸に生息する唯一のペンギンで、体長およそ60センチ、体重は3〜4キロほど。主食はイワシなどの小魚で、水中で巧みに捕食します。岩場のすき間や藪の根元に巣をつくって卵を温める習性があり、近年は生息環境やエサ資源の変化などにより保全が求められている種類としても知られています。

 

ふわふわの綿羽に包まれた赤ちゃんペンギン

ケープペンギン

サンシャイン水族館では、親鳥の足元で過ごし、親鳥が口移しでエサを与えたり、やさしく羽繕いしたりする子育ての様子を、約2メートルという近さで観察できます。耳を澄ますと、雛の「ピイピイ」という高い鳴き声が聞こえることもあります。

ふわふわの綿羽に包まれた幼い姿が見られる目安は生後60日ごろで、今回は12月中旬までが見頃です!(※鳥インフルエンザの流行状況により展示が休止となる場合があります。来館前に最新情報をご確認ください)

 

■ケープペンギンの親仔のデータ

・雛 2025年10月14日(火)孵化
性別:不明※ 体重:68g(生後2日目時点)

※ペンギンの性別は外見から判断することが難しく、確実な雌雄の確定は、成長後のDNA鑑定が必要

・母親 くるみ
年齢:7歳(2022年6月3日にブリーディングローンにて横浜・八景島シーパラダイスより来館)
産卵:初めての産卵

・父親 ピンクライム
年齢:15歳(2010年3月1日にサンシャイン水族館で誕生)

 

すくすくと成長する赤ちゃん

ケープペンギン
11月4日(生後22日)

雛は日々すくすくと成長しており、生後22日には体重1,125g、1か月が経過した11月12日にはなんと1,955gに! すでにずっしりと重くなってきています。

ケープペンギン
11月12日(生後約1か月)

 

繁殖の流れ

同館で飼育するケープペンギンは、毎年10月から春先にかけて繁殖期を迎えます。2025年の繁殖では、次のような流れで進みました。

9月5日(金) メスの「くるみ」とオスの「ピンクライム」ペアで初めての産卵を確認
10月11日(土) 産卵から37日目 卵の内側から殻をつつく「嘴打ち(はしうち)」を確認
10月14日(火) 無事に孵化

今後は、雛が自力でエサを食べる練習や水中で泳ぐ練習を重ね、慣らしを経て「草原のペンギン」水槽の仲間として引き続き展示される予定です。

 

卵から孵化までのプロセス

ケープペンギン

同館では孵化の成功率を高めるため、産卵後に卵の状態を継続的に確認します。真っ暗な部屋で卵にライトを当て、殻の内側に広がる血管や胚の様子を観察する「検卵」を実施し、重量や心拍などのデータを記録します。成長が進むと卵が光を通しにくくなるため、その変化も目安になります。デジタル検卵機で微細な心音を捉える工程も含まれます。

野生下でペンギンが卵を数分間外気にさらす「放冷」という行動を参考に、検卵時はおよそ5分間の放冷を再現。これにより卵内の発生過程が健全に進むよう配慮しています。

今回はペアにとって初繁殖であることから、孵化確率を上げるため卵を一時的に孵卵器で預かりました。孵卵器では温度と湿度を丁寧に管理し、これまでの知見をもとに最適な条件を維持します。その間、親鳥には本物の卵に似せた「擬卵(ぎらん)」を抱かせます。

擬卵を用いる目的は複数あります。

・成長確認や抱卵練習のため
卵を一時回収して検査・育成する間も、親鳥が自然な「卵を抱く」という行動を継続できるようにする

・成長が確認されなかった卵の回収
孵化することがないため、40日程経過したら擬卵も回収する

・遺伝的多様性の確保や過密飼育の回避
繁殖計画に沿って近親交配を避け、水族館の収容能力を超えないよう調整する

ケープペンギンはおよそ40日前後の期間、卵を温め続けます。産卵直後に卵が失われると短期間で再産卵に向けた準備が進み、親鳥の負担が増すことがあります。擬卵は、親鳥の健康と繁殖の質を守るための重要なツールでもあります。

 

サンシャイン水族館のスタッフさんに聞きました

――くるみとピンクライムは、どのような経緯でペアになったのですか?

くるみは、別の施設から来ました。当時ペアとなる相手がいなかったピンクライムと、くるみがペアにならないか? と思い、一緒に生活させるようにしました。

2羽は「草原のペンギン」水槽のとてもいい巣穴を見つけてくれて、その後はそのままそこで仲睦まじく生活するようになりました。

――初めての子育てということですが、親鳥たちはどんな様子ですか?

両親共に、巣穴を守り、巣から離れることも少なく、しっかりと仔を守っています。とてもよく守るために、雛が見えないこともよくありました。 仔の成長も非常にいいので、かなり育雛(仔育て)するのが上手なのだろうなと思います。

 

雛の愛称投票も開催!

雛の愛称を決める投票の実施が決定しました。飼育スタッフが考案した4つの候補名の中から、来館者の投票で愛称を決定します。

●投票期間:11月21日(金)〜11月30日(日)、結果発表は12月6日(土)

●場 所:サンシャイン水族館 屋外エリア マリンガーデン「天空のペンギン」水槽

●投票方法:ケープペンギンの赤ちゃんを見て、飼育スタッフが考えた4つの愛称候補の中からひとつ選んで、「天空のペンギン」水槽下に設置している二次元コードまたは投票ボタンにて投票してください。

※二次元コードより投票された方限定の特典として、ケープペンギンの赤ちゃんの画像をプレゼントします。

 

①ぴんくる
親の愛称の頭文字(ピンクライム、くるみ)からとり、キャッチーな愛称にすることで、多くの人に覚えてもらいたいと願いを込めました。

②コスモ
親のリングの色(ピンク、茶)から桜が連想され、秋生まれのため、秋の桜と言われているコスモスからとりました。コスモスの花ことばに「調和」もあるので、他のペンギン達と仲良く暮らしてほしいと願いを込めました。

③どんぐり
親の名前が「くるみ」で、秋生まれのため、木の実の名前からとりました。木の実の中でも、皆様に親しみのある「どんぐり」にすることで、みんなから愛される仔になってほしいと願いを込めました。

④まろん
秋生まれのため、秋から連想して愛称を考えました。呼びやすい名前にすることで、お客様にたくさん呼んでもらえるように、と願いを込めました。

ぜひサンシャイン水族館に足を運んで、投票してみてください!

 

池袋・サンシャイン水族館
https://sunshinecity.jp/aquarium/

 

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