疲れが抜けない、朝からだるい...そんなときは、体のエネルギーを生み出すビタミンB群や、免疫力を高める発酵食品を意識的に取り入れることで疲労が軽減されるかもしれません。「食で整える疲労回復法」を書籍『働きすぎで休むのが下手な人のための 休息する技術』より紹介します。
※本稿は、菅原道仁著『働きすぎで休むのが下手な人のための 休息する技術』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
「疲れにはビタミンB群」が肉体疲労時のテッパン
食べものによって疲労回復を促し、休息を与えてあげることもできます。体が疲れたと感じたら、昔からよくいわれているように、ビタミンB群を多く含む食品を積極的に摂取する─これがテッパンです。
ビタミンB群とは、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類で構成される水溶性ビタミンの総称で、「代謝ビタミン」と呼ばれることもあります。それぞれの働きは微妙に異なりますが、体のエネルギー源となる三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)の代謝を補酵素として円滑にする役割を果たすと覚えておけば、おおむね間違いはありません。
ビタミンB群のなかでもとくに疲労回復に効果があるとされているのが、糖質の代謝に不可欠なビタミンB1と、糖質のみならず脂質の代謝にも関わるビタミンB2、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6の3つ。
三大栄養素を体に取り入れても、これらビタミンB群が不足していたら代謝がスムーズにいかず、エネルギーが十分に生成されません。すなわち、体の疲れがなかなか取れなくなってしまうということです。
ビタミンB1は、豚肉、レバー、穀類の胚芽、うなぎ・ぶり・かつおなどの魚介類、大豆製品、ナッツ類などに多く含まれます。
ビタミンB2は、うなぎ・ぶり・いわし・さんまなどの魚介類、レバー、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、卵、大豆製品、海藻類などに豊富です。
ビタミンB6は、鶏のささみや牛ももなどの赤身肉、レバー、かつお・まぐろ・さけ・さばなどの魚介類、玄米、大豆製品、ブロッコリー、バナナなどから多く摂取することができます。
疲れにくい体をつくるために、そして疲れを感じたときには、これらを含む食品や料理をしっかり食べるようにしましょう。
発酵食品で免疫力アップ! 疲れない体を手に入れる
体に疲労が蓄積すると、免疫力が低下します。
そして、免疫力が低下すると、細菌やウイルスなどの病原体、がん細胞などの異物を殺滅してくれる免疫系が正常に機能しなくなり、さらに疲れやすくなるという悪循環をまねきます。
これは裏を返すと、免疫力を高めれば、疲れがたまりにくくなるということです。
免疫力アップは、疲労の回復と軽減を同時に実現してくれます。自らそれを実践できるのなら、やらない手はないでしょう。
免疫力を高める方法として、適度な運動、良質な睡眠、ストレスの解消などが挙げられますが、本項では食事に関する情報をお伝えしていきます。
食べることによって免疫力アップが期待できる代表格は、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素です。これらを多く含む食品を摂取すると、免疫細胞の働きが活性化し、疲れにくい体がつくられていきます。
たんぱく質は良質な筋肉をつくり、ビタミン(B群)はエネルギー代謝をサポートし、ミネラルは丈夫な骨をつくり、食物繊維は腸内環境を改善するので、体にとってはメリットしかないといってもいいでしょう。
これらの栄養素をすべてカバーしているのが、発酵食品です。免疫力を高めるためには、毎日の食事に発酵食品が欠かせません。疲れにくい体をつくってくれるだけでなく、病原体や異物の侵入を防ぎ、病気にもかかりにくくしてくれます。
発酵食品は、朝食の際にとりやすいのではないでしょうか。
和食派の人なら納豆とそれにかける醤油、お味噌汁の味噌、漬物。洋食派の人なら、パンとそれに塗る発酵バター、ヨーグルト、チーズなどが発酵食品に該当します。「絶対に外せない朝食」と「発酵食品」をセットで考えるのもいいでしょう。








