青木さやかさんと、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さん
青木さやかさんはこれまで、「お金があればあるだけ使ってしまう生活」を送っていたといいます。借金をしていた若い頃から、芸人として大ブレイクした後も、収入にかかわらずお金を使い続けてきた結果、50歳になった時点で貯蓄はほとんど無い状態に。税理士から現状を指摘され、お金の使い方を見直すことになりました。本稿では書籍『貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった』より、その実践の一部を紹介します。
※本稿は、青木さやか著『貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった』(日経BP)より内容を一部抜粋・編集したものです
レシートをまとめて見える化! 先月よりも支出は減ったが
ある日の銀座の昼下がり。
「青木さん、いつも僕におごってくれますけど、青木さんより僕のほうが資産ありますからね」
「え」
「僕は家のローンも払い終わっていますし」
「お金ないかと思ってた。いや、あるとかないとかじゃないけど」
「お金ないフリをしてますから。でも実際あるんで」
「じゃあ今度おごってもらうわ」
「すみません、イヤです」
「なんなの、あんた」
「貯めてますから。だいたい、青木さんすぐスタバ行くじゃないですか、僕は水筒でいいんで」
「スタバおごってもらった後によく言うね」
「心配になったんで」
「何が」
「青木さんの金遣いが。今そんなに稼いでないだろうな、と思いますし」
「…」
「じゃあ僕、走って帰るんで」
「…」
「青木さん車ですよね。都内では車、必要ないと思いますよ、カーシェアでいいんじゃないですか」
「私はね! 自分名義の車で! スタバでドライブスルーするのが好きなの! 分かる?」
「すみません、分からないです」
「バイバイ!」
「お疲れさまです」
「永遠にバイバイ!」
「またお願いします」
――こんな会話をした後輩には、今もおごっている。本当のことを言ってくれる人は貴重だ。お金との付き合い方は少しずつ変化しているはずだ。たった1カ月だが、私は行動を変えている。行動を変えれば変化する。それはこれまでの人生経験で嫌というほど分かっている。まずは3つのこと。
1. 生活費を引き落とす銀行口座を1つに
いくつもの口座を1つにまとめたほうが管理しやすいと坂本綾子先生。さらにネットバンキングで日々チェックできて便利、かつ、いくら減ったか目で確かめることで衝動買いを抑えられるらしい。ダイエット中に体重計にのるのと同じですね。
ミッション開始。銀行へ行き1つの口座にまとめる手続き、さらに先生に勧められて、貯まったら同じ銀行の中でスライドさせる定期預金口座を開設。ついでに先月まとまった入金があったので、マンションのローンの繰り上げ返済も。残金約70万円。
2. 日々使ったお金を記録する。さらに項目分けする

1カ月分のレシートと格闘し表に書き込んだ。1カ月分の書き込みは2時間を超えた。
こういう作業は大変に苦手だ。苦虫をかみつぶしたような表情でなんとか書き終えた。
1カ月の日々の支出を日経ウーマン編集部さんに計算してもらうと先月より減っていた!(次回からはアプリを使って自分で計算しましょうと坂本綾子先生) 振り返ると、欲しいモノがあっても「ちょっと待った!」とストップをかけることができた。
主に気をつけたのは外食。出かける時はおにぎりを持参。家にあるお菓子を2、3個カバンに入れておくと、家ではありふれたお菓子が外ではごちそうに感じる。ただし友人との外食は厳選した好きなものを。
3. たんす貯金を6万円! 貯まったお金でご褒美を!
2カ月で6万円貯めた。自身の財布から抜いて貯めたお金だが、別の場所に置いておくことで、なぜかお得感が半端ない! どこかから湧いて出てきたお金のようだ。
「アスティエ・ド・ヴィラット」のお皿を購入しようと店に行き、ふむふむ3万円ほどか、と一旦店を出ると、たまたま目に入ったブーツが確かに私を呼んでいた。「レッドウィング8133」。値段を見ると2万円台。これなら皿と合わせて6万円。ちょうどいいね、この春はアメカジで決まりだねと購入し、アスティエに戻る。
お気に入りのお皿を見つけ、お会計するとびっくり。5万6000円。まいった。さっき見ていたお皿は3万円だったのに。でもやっぱり、こっちが欲しい。というわけで約3万円オーバー。たんす貯金の現金6万円では足りずカード払いでよろしく。やってしまった...。しかし、魅力的な買い物をしたからよしとしよう。









