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- ウエストランド井口さんから若手へのアドバイス「詐欺に気をつけろ!」 若者を脅威と感じない理由とは?
「ブランディングなんかいいから、やれよ!」「本当は謝ってほしい。ビビっててすみませんって」──若手に容赦ない井口浩之さんが、最後に送るアドバイスは「詐欺に気をつけろ」。その理由とは? 2025年12月に最新刊『悪口を悪く言うな!』(Gakken)を刊行したウエストランド・井口さんに「若手への本音」をお聞きしました。
井口さんが若手に脅威を感じない理由「若手はそれをやらないから」
――30歳くらいになってくると、本当に"若さだけで評価してもらえる"ことが減ってきて、身をもって実感している人は多いと思います。私自身もそうです。
【井口】若いときに調子に乗ってたんだから、しょうがないですよね。芸人の世界はどんどん"おじさん"ばっかりになってきていて。
若い人の言葉って、あんまり響かないんですよね。若手が「やってらんないよ」と言ったとしても、聞いているほうは「やり直せばいいじゃん?」って思っちゃう。同じことを40歳くらいの人が言うのとでは重みが全然違うんですよ。
――たしかに、同じ言葉でも伝わり方が変わってきますね。
【井口】難しいところですよね。昔は若い人も活躍しやすかったし、そもそも芸人の数も少なかった。でも今、20代前半で売れる人なんてほとんどいないですから。
体を張る企画をやっても、集まるのは40歳くらいの人ばかり。怪我だけを恐れながらやってる。いまだに僕が最年少、みたいな現場もありますからね。
若手は「仕事欲しい」とは言うけど、「そういうのはダサいからやらない」みたいな。ブランディングだか何だか、訳のわからないこと言って。
ブランディングなんかいいから、やれよ! と。単にビビって逃げてるだけですよ。本当に若者は情けない!!(怒)
――たしかに企業でも、最近は40代のプレイヤーが目立ちます。
【井口】40を過ぎて馬車馬みたいに働くしんどさはありますよ。でも、若手を"脅威"には感じないですね。だって、若手はそれをやらないから。
ビビってるだけですからね。「これがブランディングなんで」とか言って。できないことを、それっぽく言い換えてるだけ。情けないですよ、本当に。
本当は謝ってほしいくらいですよ。「ビビっててすみません」って。みんなそれを"ブランディング"と信じ込まされて「すごい」と思ってるけど、全然すごくない。
で、馬車馬みたいに働いてる僕らのことは、蔑んでくるじゃないですか。どうしようもないですよ。本当にヤバい。もっと頭を使わないと大変なことになりますよ。ものを見る目を養わないと。「詐欺に気をつけろ」ってずっと言ってますけど、このまま何も考えずに生きてたら、普通に詐欺に遭いますからね。
若いタレントから“タメ口で話されること”への本音
――芸人の吉住さんとのラジオ「孤独のアジト」にて、井口さんが後輩からタメ口で話されがち、という話がありました。さきほども「若い人が上をなめている」とありましたが、今の若手との距離感はどうされていますか? 井口さんご自身のスタンスや、若手から軽んじたような態度を取られたときの受け止め方、対応の仕方などを教えてください。
【井口】この前、別のYouTubeでお悩み相談みたいなのがあって、「若い女性との距離の詰め方、どうしたらいいですか?」っていう質問が来たんですよ。
なんで距離詰めたいんだよ!って思いません? 気持ち悪いじゃないですか。おじさんが「どうやって若い女性と距離を詰めようか」とか考えてるの。
そもそも"距離を詰めたい理由"がよくわからないんですよ。気味悪いというか。だから、そんなこと考える必要ないんです。こっちから擦り寄ってもしょうがない。
アイドルの人とかとお仕事させてもらうこともありますけど、こっちから擦り寄ることなんてないじゃないですか。向こうがナメてくるぐらいでちょうどいいんですよ。
若い女性タレントとかアイドルとかには、ナメられてるくらいがちょうどいいでしょ。見てる人もその方が安心するじゃないですか。「あ、この人、舐められてる側なんだな」って。こっちから距離を詰めることは絶対ないし。
芸人の若手に対しては、もうあんまり関わらないようにしてます。「お前なんかと口きかねえよ!」って言ってますからね。
うちの事務所の後輩にも、「なんで僕がお前と喋んなきゃいけないんだ。M-1チャンピオンの僕がお前なんかと喋んないからな」って言ってます(笑)
事務所の人が「井口と喋りなよ」とか言ってくるけど、僕は絶対に喋らない。どうせ辞めるし。そもそも気軽に話しかけていい距離じゃないんですよ、本来は。だから、そういう線ははっきりさせてます。
――そういう線引きを大切にしていらっしゃるんですね。
【井口】いや、だって、そんなやつと喋っても得るものないでしょ。カロリーの無駄遣いですよ。タイタンの養成所のやつとは僕は口をきかないですからね!
本当にすごい若者は周りが止めても出てくる

――今の時代だと「誰がどこから売れてくるかわからないから、とりあえず若い子とも仲良くしておくと得かもしれない」と、計算しながら付き合う人も多いのかなと思うのですが。
【井口】出てこないですよ、本当に。絶対辞めるし、つまんないし! で、これだけ言って、それでも出てくるやつだけが本物なんじゃないですか。
――さっきのお話ともつながりますね。会社でも、どんどん新入社員が入ってきて、「若者の考え方を理解しなきゃ」みたいなプレッシャーがあります。
【井口】そんなの全部間違ってますよ。若者の考えなんて、だいたい薄っぺらい知識なんだから。全否定でいいです、全否定! 若者の考えは、基本的にそう。
こっちはその分、生きてきた知識と経験があるわけじゃないですか。本当にひっくり返すくらいすごい若者だったら、勝手にひっくり返しますよ。そんなの、周りが止めても出てくるから。だから、何でもない、どうしようもない若者を「若い」というだけで重宝する必要はないと思いますね。
甘やかさない方がいいですよ。すごくないんだから。ライブでもずっと口酸っぱく言ってきましたからね。「お前なんか何でもない、結果も出さずノロノロやってんだから、いちいち浮かれずに、地に足つけてやれ!」って言い続けて、楽屋から笑顔が消えましたもん。
楽屋って、本来は楽しい場所じゃないですか。なのに、僕が出るライブは笑顔が消える(笑)。でも、僕が出なくなると、また秩序が乱れていくんですよ。良くない方向に。
――もう少しピリッとした緊張感が必要だと。
【井口】だから、たまに行って見張っておかないと、すぐ調子に乗るんですよ、あいつら。すぐダメになる。
(取材・編集:PHPオンライン編集部 片平奈々子)








