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生き方

「忙しくても時間にゆとりがある人」がやっている7つの習慣

中島美鈴(公認心理師、臨床心理士)

2026年06月22日 公開

「忙しくても時間にゆとりがある人」がやっている7つの習慣

仕事や家事に追われて過ごす中で、ゆとりのある生活をあきらめている人も多いかもしれません。公認心理師の中島美鈴さんが、忙しくても、心に余裕を感じられるようになるための方法をお伝えします。

※本稿は、『PHPスペシャル』2026年7月号より内容を抜粋・編集したものです。

 

おだやかな時間を取り戻そう

1人1台はスマホを持っているのが当たり前になり、「暇さえあればスマホを見てしまう」という人も少なくないのではないでしょうか。とくに近年、AIの発達によってスマホでできる作業が増えたことで、私たちの隙間時間はスマホの使用に埋め尽くされていると言っても過言ではありません。

さらに現代は、世の中全体が効率重視になり、隙間時間を埋めるほど良いとされる傾向があります。そのため多くの人が、自分の体験や気持ちを心の中でかみ砕き、じっくりと味わう時間を削ってまで、情報のすばやいインプットやアウトプットに励んでいるのです。1人でゆったりと心を整理する時間が無意識のうちに減り、それが「忙しい」という感覚につながっていると言えるでしょう。

また、仕事や家事などが立て込んでいて、「時間がない」=「自分のために使える時間がない」という可能性もあります。

この場合、1日24時間という限られた時間のうち、1分でもいいので自分の幸せのために時間を使う工夫をしましょう。ほんの少しでも「自分のために動けた」と思えることで、心に余裕が生まれ、自己肯定感もアップするはずです。

また、「どんな暮らしをしたいか」「どんな自分になりたいか」を明確にしておくことも大切です。それはつまり、人生における優先順位をはっきりさせるということ。1日の中で今ある「やるべきこと」以外に1つか2つ、行動をプラスできるなら何をしたいか、自分の中で考えてみてください。そうすれば、優先順位が低いことに時間を割いてしまったり、あれもこれもと欲張ってすべてが中途半端になったりするのを防げます。

毎日をおだやかに過ごすためには、日頃から自分の気持ちと向き合っておくことが大切なのです。

 

時間の捉え方

時間に対する価値観は、人によってさまざま。ここでは、「ゆとりがある人」と「ゆとりがない人」という切り口で分けて、時間の捉え方の違いを見てみます。

 

【忙しくても「ゆとりがある人」にとって時間とは】

・分単位または秒単位に分解して考えるもの

・自分の行動や考え方を工夫すれば、コントロールできるもの

・目的から逆算することで、見積もれるもの

・不足した場合は、何らかのかたちで補えるもの

 

【忙しくて「ゆとりがない人」にとって時間とは】

・「午前・午後」「1日」「1週間」「1カ月」など、大枠でくくって考えるもの

・その時々の作業が終わるまで使えるもの

・目に見えず、見積もることが難しいもの

・常に足りていないもの

 

みなさんは、どちらのタイプでしたか? 次からは、現時点で「ゆとりがない人」でも「ゆとりがある人」に変われる習慣術をご紹介します。

 

時間のゆとりを作る7つの習慣

今日から始められる習慣を厳選しました。できることから取り入れてみてください。

①5分でできる趣味を持つ

時間ができたら何をしたいですか? そう聞かれて、映画鑑賞や旅行をイメージした人も多いのではないでしょうか。でも実際、そこまで長い自由時間はなかなか取れないものです。私たちが普段の生活の中で得られる自由時間のほとんどが、隙間時間。そのため、短時間でできる「やりたいこと」を事前に考えておきましょう。たとえ5分でも、自分のために動けば心に余裕が生まれます。

意識しておきたいのは、時間ができてから考えるのでは遅いということ。隙間時間は突然現れたかと思えば、ものすごい勢いで去っていくからです。温かいお茶を飲む、顔のパックをする、好きな音楽を聴くなど、リストを作るのがおすすめです。

②季節の移ろいを味わう

忙しくて心に余裕がないと、季節の変化に目を留めなくなりがちです。できる範囲で意識的に季節を味わってみることで、「余裕がある自分」を演出しましょう。

近所の公園に花を見に行ったり、旬のものを食べたりするのはもちろん、季節の花を1輪買って部屋の好きな場所に飾るだけでも、気持ちにゆとりが生まれるはずです。また、その季節をイメージさせるような色や柄の服を着るのも◎。たとえば、春はミモザ色のセーター、夏はマリン柄のスカート、といった具合です。「私は季節をちゃんと味わっている」と思えることが、日々の充実感につながります。

③「べき思考」をやめる

完璧主義な人ほど、無意識のうちに時間を犠牲にしている傾向があります。「人からの連絡にはすぐに返信すべき」と決めているせいで作業が中断されて長引いたり、「忙しくても自炊すべき」と手作りにこだわって夕食が遅くなったり......。「べき思考」をゆるめ、時には例外を作ることで、時間をコントロールできるようになるはずです。

④睡眠時間を削らない

時間がないからと、夜遅くまで作業をする人がいますが、これは逆効果。睡眠時間が足りていないと頭がぼんやりして日中の作業効率が落ちてしまうだけでなく、ミスも発生しやすくなります。その結果、謝罪など、本来なら不要な作業に時間を費やすことに。どんなに忙しくても、睡眠時間はきちんと確保するようにしてください。

⑤不満はその場で伝える

人とのコミュニケーションの中で引っかかることがあれば、その場で気持ちを伝えるようにしましょう。言われたことを根に持ってクヨクヨしたり、悪口や愚痴を言ったりするのに時間を使うのは、とてももったいないことだからです。

ただし、一方的に気持ちを伝えるのはNG。「どうしたら違和感を解消できるか」という未来志向で会話を進めることが大切です。

⑥「いつやるか」を明確に

普段から「やるべきことが多い」と感じている人ほど、予定を組むときは「いつまでに」だけでなく、「いつやるか」をセットで決めるようにしてみてください。その際、大体ではなく、日時まで細かく設定するようにしましょう。作業を完了させたい日だけでなく、作業日を明確にすることで、用事がたまっていくのを防げます。

⑦予定を色分けする

家族や友人、職場の同僚に振り回されることが多く、時間をコントロールできないという人は、手帳に予定を書き込むときに色分けをすると◎。具体的には、人のための予定は青、自分のための予定は緑、体調不良による予定(通院など)は赤で書き込むのがおすすめです。

1週間ごとに青と緑のバランスを調整し、最低でも週に3つは緑の予定がある状態を目指してください。また、赤が出現するのは自分の体が出しているSOSのサインととらえ、赤の予定のあとは緑の予定を多めにするなど、工夫しましょう。この手帳術は、自分の時間の使い方を振り返る際にも便利です。

 

仕事や家事がはかどる!「スープモだ」時間管理術

ここからは、「やるべきこと」をスムーズに進めるための時間管理術を、4つのSTEPに分けて伝授します。各STEPの頭文字をとって、「スープモだ」と覚えましょう。

 

【STEP1:スタート】ハードルは下げて検討を!

何事においても、できるだけハードルを下げておくことが大切です。

たとえば子供の誕生日会を検討する場合、「両家の親を招いて、ごはんを手作りして部屋の飾りつけをして......」と、完璧な理想像を思い描いてしまうと、作業に取りかかるまでのハードルが高くなり、準備はギリギリに。逆に、「ケーキだけは必ず用意しよう」など、始めの段階で最低限やるべきことを決めて、その手配さえしてしまえば、余った時間を自由に使えます。献立を考える余裕なども生まれるでしょう。

仕事でも、「完璧を目指して頑張る」のではなく、「許されるギリギリのレベルを超えるために頑張る」と決めて、そこからプラスアルファの工夫や提案をすると、独りよがりの頑張りが減るはずです。

 

【STEP2:プラン】作業を小分けにして考える

いざ計画を立てる際は、まず作業の全体像を紙に書き出すなどして見える化しましょう。その後、作業を細かく区切り、作業ごとに「いつまでに終えるのか」や「どんなペースで進めたら、求められている期日までに終わるのか」を確認してください。

「この作業は○日には終わる」とわかるだけで安心できて、心に余裕が生まれます。

 

【STEP3:モニタリング】「時間と体力は有限」と自覚して

STEP2で細分化した作業が終わるたびに、時間や日にちを確認するようにしましょう。計画とのズレがあった場合は、作業の仕方を見直す必要があるからです。

たとえば「カレーを何時までに作る」と決めて、工程ごとに大体の時間を確保していたはずが、「せっかくなら玉ねぎを飴色にしたい」などと思い立ち、必要以上に時間がかかっている場合も。作業を楽しむのは良いことですが、時間が限られているなら、潔く切り上げましょう。

仕事についても同様です。必要以上にこだわって頑張りすぎた結果、体調を崩すと元も子もありません。私たちの時間と体力は有限であることを、肝に銘じてください。

 

【STEP4:だっせん防止】原因に応じて工夫しよう

作業中にほかのことに気を取られてしまう原因は、2つあります。1つは誘惑によるもの、もう1つは心配からくるものです。

前者は、スマホや甘いものなどが挙げられます。たとえば読書に集中したいときはネット環境のない場所に行くなど作業に合わせて環境を変える、ご褒美タイムをあらかじめ決めておく、といった工夫をしてみてください。

後者の場合、たとえばAという仕事の作業中に、ほかのBとCの仕事の進捗が気になってしまうという人は、BとCの進め方の詳細が決まっていないことが原因である可能性が高いです。BとCの計画を見直すところから始めましょう。

 

【中島美鈴(なかしま・みすず)】

心理学博士。成人期のADHDの認知行動療法・時間管理・集団認知行動療法を専門に、研究活動やコラム執筆、時間管理に関するグループレッスンなどを行なう。『なぜあの人は時間を守れないのか』(PHP新書)など著書多数。

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