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藤巻幸大・職場で「可愛がられる」ひとが心がけていること

2014年03月17日 公開

藤巻幸大(藤巻兄弟社代表取締役社長、カリスマバイヤー)

《PHPビジネス新書『なぜあの人はいつも助けてもらえるのか』より》

 

★本記事は、2013年11月に掲載したものの再録です。藤巻氏の死を悼み、心からご冥福をお祈りいたします。

 

 考えてみれば、ビジネスだって社会だって、結局人とのつながりと関係の中でしか成り立たないものですよね。どんなに自分に才能があっても自分ひとりの力だけでできることなど本当にたかが知れています。

 そう考えると、人から力を貸してもらえる能力ってとても大事。そこで今回、「可愛がられる法則」というテーマで僕自身の体験や考えをまとめてみました。まさに可愛がられる人こそが、いろんな人を味方につけ、力を貸してもらうことができる人だと思います。

 

最近の若い人は可愛がられることが下手!

 

 とくに若い時はいろんな人から可愛がられた方が絶対に得です。さまざまなことを学んで吸収する若い時期は、教えてくれる人が1人でもたくさんいた方がいい。教えてもらうにはまず可愛がられるということがポイントになるでしょう。

 ところがどうも最近の若い人を見ていると、可愛がられる要素が少なくなってきているのではと感じてしまいます。

 まず一言で言うならば、昔の若者たちよりも確実に賢くなった。

 ネットだのフェイスブックだので、若い人の情報量は10年前よりも格段に増えています。あらゆる分野の情報がネットで瞬時に入ってくる。

 昔なら先輩や上司に聞かなければ分からないことも、あとでインターネットで調べればたいていのことは分かってしまいます。場合によってはネットを駆使する若い人の方が情報をたくさん持っていることだってあるでしょう。

 誰に聞かなくたって自分はもう知っているという気持ちとか、知らないことでも調べれば簡単に分かるという気持ち、それがあまりに前面に出てしまうと、やはり「可愛げのない奴」だと思われてしまいます。賢いことが仇になってしまうんですね。

 それと関連していると思うのは、知らないことを知らないと素直に言えなかったり、バカにされたくないとか低く見られたくないという気持ちが強い。見栄や体裁を気にして、自分を大きく見せようという気持ちもいまの若い人は強いのではと思います。

 最初からすべての仕事をこなせる人なんて存在しません。できないのが当たり前、失敗するのが当たり前なんですが、格好悪い自分を見せたくないという気持ちが強いのでしょう。そのために自分のできる範囲とか得意分野でしか仕事をしなくなる人もいます。当然、自分の可能性はどんどん狭くなってしまう。

 守りの姿勢と言ってもいいと思いますが、若くしてその癖が付いてしまうと、30代半ばを超えて部下を持つようになってからが大変です。逃げの仕事をしてきた人の言葉には説得力はありませんからね。部下は上司の言葉に説得力があるかないかに対してはとくに敏感です。

 それよりも素直に自分のありのままを出す。トラブルや失敗があっても素直な人物は可愛がられるし、許されます。そういう風に自分を持っていくことで、さらに失敗を恐れずいろんなことにチャレンジできるようになる。

 それが体験として肥やしになり自分の成長につながるはずです。若い時の失敗体験が多い方が自分が上司になった時、部下に説得力のある話ができる。自分の生きた体験談ですから。

 大学が就職のための予備校に化してしまっているのも問題がありますね。長い不景気で就職難が続いたから致し方ないとは思いますが、ビジネスに対する知識や経験を中途半端に積んでしまって、それで社会や仕事に対しておかしな自信や先入観を持つことになってしまう。

 学生時代から社会に出る準備をして勉強や研鎖を積むのは大切ですが、それが自分を守る鎧のようになってしまったら逆効果だと思います。余計なプライドや自信に溢れた可愛げのない新人になるくらいなら、学生時代は遊びまくっていても、まっさらな気持ちで白紙で社会に飛び込んだ方がいい。ダメダメの烙印を押されながらも素直に真剣に頑張る新人の方が、僕は伸びシロがあると思います。なぜなら確実に後者の方が可愛がられますから。

 もっと自分をさらけ出しましょう。そして真剣に躓いたり失敗して七転八倒、格闘する姿を恥ずかしがらずにさらけ出す。バカだと言われてもダメな奴だと言われても、どこか素直で真剣な人物なら、周囲は認めてくれるし可愛がってもらえるはずです。

 最初から賢く見せようとしたり、できる人物などと思われる必要なんてまったくないのですから。

 

可愛がられるエリートの3要素とは

 

 可愛がられると言うと、何だか人に媚びているようで嫌だと言う人もいるかもしれません。自分の隙を相手にわざと見せて取り入ろうとするような。

 でも僕から言わせると、本当の意味で可愛がられると言うことはとても奥が深いものだと思います。たとえば突っ込みどころ満載の隙だらけで未熟な人物がいたとしましょう。そういう人物がはたしてすべて可愛がられるか? けっしてそうではありませんよね。

 人によってはそうした理由で嫌われたり敬遠される場合だって少なくない。いや、むしろその方が多いのではないでしょうか。

 一体その違いは何なのでしょう?

 僕はその人の心根だと思います。どこか純粋で素直であるとか、飾らないで素をさらけ出すことができるとか、物事に真剣に真摯に向き合う姿勢だとか……。そういう人間的な部分、心根の部分がまっすぐで歪んでいないこと。

 そういう心根がしっかりしている人は、ある種のポテンシャルの高さを感じさせます。いまは知識も技術も足りない未熟な状態でも、それを身につけたら将来は伸びるというような期待感や希望を抱かせるんですね。

 ヨーロッパでは将来エリートになるべき人物を養成する特別なエリート校があります。イギリスのあるエリート校の教育方針がとても印象深いので紹介します。エリートたるべきポイントとして次の3つをあげています。

(1)勇敢であれ

(2)楽天的であれ

(3)ムキになるな

 何だかあまりにシンプル過ぎて肩すかしの感じさえしますが、これが考えれば考えるほど奥が深いんです。

 教養を身につけろとか、リーダーとしての資質を高めろとか、そんな具体的な項目はありません。でもこの3つがあれば人間的にとても魅力的な人物であることは間違いない。

 実はこの3つはそのまま可愛がられる人物の要素でもあるんですね。たとえば勇敢であれば失敗を恐れず、いろんなことにチャレンジすることができるでしょう。前向きな姿勢のある人物はやはり可愛がられます。

 自分の素をさらけ出すことも勇敢でなければできないことです。ありのままの自分、飾らない自分を出す。その点からも可愛がられるには勇敢でなければならないということ。

 楽天的であることも同じように可愛がられる要素です。注意されたり叱られても、そこで挫けず食らいついて行くためには、心の奥底に楽天的な気持ちがなければできないでしょう。自分に対して根本的な自信がある人は、どこかに楽天的な要素がある人だとも言えます。

 ムキにならないということも、面白いポイントです。すぐムキになる人は他人からすると厄介な存在です。どんなに正しいことを主張していても、ムキになっている人はやはり敬遠したくなりますよね。

 たとえば上司がちょっと注意するとムキになって自分の正しさを主張する部下がいたら、やはり上司は嫌がるでしょう。

 ムキにならないということは、どこか自分を突き放して自分を客観的に見ることができるということでもあります。視野が狭まっているのではなくて、広く俯瞰して物事を見ることができる。だから自分と違う意見にも耳を傾けることができる。

 そんな余裕のある人物こそいろんな人から可愛がられるのだと思います。

 勇敢で楽天的でムキにならない。言葉はシンプルですが、よく考えるとその人の心根、品格とか品性に関わるとても重要なポイントだと分かります。このような品性や品格を兼ね備えた人こそが、他人から可愛がられる人物だと僕は考えています。

 

<書籍紹介>

なぜあの人はいつも助けてもらえるのか 
職場で「可愛がられる」法則

藤巻幸大 著

上司からなぜかいい仕事を任される。失敗が多いけどなぜか許される――。そんな人が、職場に1人はいないだろうか。彼らは特別に育ちがよいわけでも、かといって、おべっかばかりの太鼓もちというわけでもない。じつは、そういった「可愛がられる」人たちは、約束を守る、遅刻しない、明るく振る舞うなど、基本的なことを意識する術を心得ているのだ。「人脈の達人」が厳選した25の技術を身に付け、いい意味で「特別扱い」される人になろう!

<著者紹介>

藤巻幸大

(ふじまき・ゆきお)

1960年、東京生まれ。上智大学卒業後、伊勢丹に入社。バーニーズジャパンバイヤーを経て、「解放区」「リ・スタイル」「BPQC」などを立ち上げ、カリスマバイヤーとして知られる。2003年、福助株式会社代表取締役社長、2005年、株式会社セブン&アイ生活デザイン研究所代表取締役社長に就任。現在、参議院議員、株式会社シカタエグゼグティブ・プロデューサー、株式会社テトラスター代表取締役、また株式会社ビーバイイー社外取締役、株式会社アズウェーブ顧問、株式会社トランジットジェネラルオフィス特別顧問など多方面にわたり、新たなライフスタイル創造事業への意欲的な活動を行う一方、講演活動の合間を縫い、「日本」にこだわり全図を精力的に飛び回っている。
主な著書に『チームリーダーの教科書』『自分ブランドの教科書』(以上、インデックス・コミュニケーションズ)、『特別講義コミュニケーション学』(実業之日本社)、『できるチームリーダーの仕事術』『目利き力』(以上、PHP研究所)など。



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