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職場や家族に潜む「攻撃欲の強い人」~彼らが使う 7つの武器とは

2013年12月06日 公開

片田珠美(精神科医)

《PHP新書『他人を攻撃せずにはいられない人』より》

 

ターゲットの心を壊す7つの武器

 攻撃欲のある人はこっそりと忍び寄ってくるので、気づくのに時間がかかる。たとえ、あなたが気づいて指摘しても、向こうはあくまでも否認するだろうし、自分は被害者面をして、あなたを加害者に仕立て上げようとするかもしれない。また、巧みな脅し文句で、反論も反撃もできないようにすることだってあるだろう。

 そこで、彼らが破壊するために一体どんな手法を使うのかを知っておく必要がある。

 だいたい、次の7つである。

 

1 わからないふり
 あなたが向こうの攻撃欲に気づいて、とがめても、なぜ自分か責められるのか全然わからないというように驚き、当惑したふりをするだろう。「わかりません」としらを切り、理由を説明するようあなたに要求するかもしれない。
 あるいは、自分のやったことを釈明して正当化するために、他の人を証人として引っ張り出してくるかもしれない。いずれにせよ、非難しているあなたのほうが、「善良で優しい」相手を理由もなく攻撃している非常識な奴として、周囲から白い目で見られることにもなりかねないのである。

2 他人のせいにする
 ゆがんだ攻撃の達人なので、万一自分の攻撃欲を見破られても、自分にとって都合の悪いことは巧妙に押し隠して、全てを他人のせいにしようとする。
 なぜ、そんなことができるのか? 弱い人や迷っている人を操作するのが得意なので、それまでに自分が聞きたいような言葉を相手に言わせていることが多いからである。
 たとえば、頼まれると断われない弱い立場の相手に、仕事や責任を押しつけるような場合が典型である。万一問題が起こって、抗議されても、「あなた自身がやると言ったはず。そう言って引き受けたあなた自身の責任」というふうに逃げるわけである。

3 非難に動じない
 当然、非難されても動じず、逆に、非難している相手を責める。のれんに腕押しで、非難してもムダと、相手があきらめの境地に入るのをじっと待つわけである。

4 疲弊させる
 あなたが何をやっても、何を言っても、効果がないのだと思い知らせるために、向こうは決して動じない。あなたが疲弊してあきらめるのを待っているからである。
 この特徴を把握しておかないと、大変なことになる。向こうが見たくないものを眼前に示したり、向こうが聞きたくない言葉を口にしたりしても、あなたの努力は全て徒労に終わり、ぐったりと疲れ果てることになる。
 何しろ、自己愛が強く、自分より価値のある人間や自分以上にちゃんと考えている人間の存在を認めようとしないのだから。

5 他人の価値を無視
 攻撃欲の強い人は、自分以外の人間には何の価値もないと思っている場合が多く、それを相手に思い知らせるために何でもする。やる気をなくさせたり、へこませたりして、価値があるのは自分のほうだということを見せつけようとするわけである。
 しかも、自分とは異なる意見を決して受け入れようとせず、そういうことを主張する相手に対しては、非常に敵対的になる。これは、自分の考え方こそが正しく、価値があると思い込んでいるからである。
 それを変えさせようとしても、あなたの努力は全て個人的な攻撃と受け止められて、あなたを打ちのめそうとする情熱がますます燃えさかるだけである。

6 ズレ
 さまざまなズレも向こうの有力な武器になる。言葉と真意とのズレにせよ、口で言っていることとやっていることとのズレにせよ、大きければ大きいほど、相手を混乱させることになるからである。
 たとえば、毎日夫から体型のことで責められているというある女性は、「夫は、私のことを愛していると毎日言っているのに、いつも人前で私をバカにしたり、笑いものにしたりするんです。一体私はどうしたらいいのでしょうか」と訴えた。
 また、別の女性は、ある女友達について「いつも、『あなたのためよ』と言います。でも、彼女が私に勧めていることが私のためになるとは、どうしても思えないんです」と語った。ちなみに、この女友達は、2度の離婚歴があるからか、周囲の女性に離婚を勧めているということである。

7 罪悪感をかきたてる
 罪悪感をかき立てるのも、常套手段である。相手に「私のせいだ。私か何か悪いことをしたからにちがいない」という罪悪感を抱かせるよう巧妙に仕向ける。そうすれば、他人のせいにすることができるうえに、自分自身の攻撃欲を隠蔽することもできるのだから、一石二鳥である。

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著者紹介

片田珠美(かただ・たまみ)

精神科医

広島県生まれ。精神科医。京都大学非常勤講師。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から分析。『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総ガキ社会』(光文社新書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)、『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)など著書多数。

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