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冨山和彦 40代以上は「何ができるか(スペック)」より「どんな人物か」が評価される

2014年03月03日 公開

冨山和彦(経営共創基盤〔IGPI〕代表取締役CEO)

負け戦から逃げる人は責任ある地位に就けない

40代は、部長や事業責任者といった重要なポジションの候補に挙がる時期。企業の再生支援で多くの社長選定に関わってきた冨山氏がチェックするのは、やはり人として信頼できるか否かだ。では、信頼できる人とはどのような人なのか。

「固有名詞の勝負になるというと、偉い人に好かれていればいいと勘違いする人がいますが、それは間違いです。偉い人にだけペコぺコしていて、そうではない人を軽く扱う人もいますが、軽く扱った人の中から将来すごく偉くなる人も出てきます。その結果、本人は覚えていないけど、昔の行ないで恨まれているというケースが少なくない。実は私も逆の立場で、『あの人には無名の頃ぞんざいに扱われた。絶対許さないぞ』という人が何人かいますからね(笑)。

 ステイーブージョブズは、未来に向けてドット(点)をつなげるのではなく、現在から過去を振り返ったときに初めて、これまで打ってきたドットがつながるといいました。人との出会いや仕事も同じ。若い頃から1つひとつドットを打ってきた積み重ねが40代で1つの絵になるのであって、それが美しい絵になるのか、醜い絵になるのかは、後にならないと見えてきません。だから、『この人は将来、偉くなりそうだから仲良くしておこう』という考えは危ない。タテヨコ関係なく、誰に対しても誠実であることが重要です。

また、卑怯な人にも重要な仕事は任せられません。とくにダメなのは、保身のためにウソをついて逃げる人です。私はビジネスにおいてウソをつかなければいけないシーンもあると思っています。ビジネスは戦争と同じで、全局面で勝つことはできません。ときには見捨てなくてはいけない戦線もありますが、それでもトップは『頑張れ、勝てるぞ』と励まさなくちゃいけない。こういうウソは便法で、必ずしも否定できるものではないでしょう。しかし、自分が生き延びるためにつく責任逃れのウソは良くない。それだけで信頼を失います。

そういうウソを1度でもついた人は、評判がすぐに広がります。40代以降の世界はスモールワールド。生き残っている人の数が少なく、会社でも部長以上になればみんな顔見知りでしょう。不特定多数ではない固有名詞の世界なので、大人数に紛れて姑息に生き延びることができなくなるのです。

そもそも、負けを必要以上に恐れる必要はありません。去年ヒットしたドラマ『半沢直樹』で、関連会社に出向になった銀行員が人生終わりだという表情をしていましたよね。でも、失敗して出向の憂き目にあっても、給料や年金は保証されています。日本の大企業に勤めるサラリーマンは、負けてもその程度です。それなのに、負けから逃げたり責任逃れに終始すれば、周りから信頼を失うだけです。

だいたい、負け戦から逃げたら、敗囚分析もできないじゃないですか。負けたときにきちんと敗戦処理までやれば、その経験を次に活かすことができます。しかし逃げたら何も残らない。どのような立場でも、負けを自分のものとして受け止めて学んでいく。その姿勢を持った人はスキルも伸びるし、人間性も高く評価されるのです」



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