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孫正義・25文字の成功哲学

板垣英憲(政治経済評論家)

2014年06月19日 公開 2016年12月08日 更新

孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学』より

※本記事は2014年6月に公開したものです。

 

「孫の二乗の法則」とは

孫正義の「快進撃」

孫正義の二条の法則営業利益が1兆円を超えた日本企業は、これまでに3社しかない。

NTT、トヨタ、そしてソフトバンクである。

しかも我々は、33年という最短期間で1兆円を突破した。

平成26年(2014年)5月、ソフトバンクの決算発表会で同社社長の孫正義はそう語り、胸を張った。

ソフトバンクの2014年3月期の連結決算は、売上高が約6兆7000億円、営業利益(本業のもうけを表す)が約1兆900億円、純利益が約5300億円。いずれも業界最大手のNTTドコモを上回り、初めて通期決算で首位となった。

同社がボーダフォン日本法人を買収し、携帯電話事業に参入したのは、平成18年(2006年)のこと。それからわずか8年で「日本一」の座に上り詰めたことになる。

ここ数年の孫正義の「快進撃」はめざましい。

PHSのウィルコム、「イー・モバイル」を展開するイー・アクセス、スマートフォン向けゲーム『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』で知られるガンホー・オンライン・エンターテイメントなどを相次いで子会社化。平成25年(2013年)7月には、米国携帯電話第3位のスプリント・ネクステルを約2兆円で買収し、同社(スプリントに社名変更)の会長に就任した。

さらに現在(平成26年5月中旬)も、米国携帯電話第4位のTモバイルUSを買収するべく、さまざまな動きを続けている真っ最中である。もし買収が実現すれば、ソフトバンクはチャイナモバイルに次ぐ世界第2位の携帯通信会社となる。

孫正義はこれまで、「それは達成不可能だ」と誰もが笑うような高い目標を掲げ、それをつねに実現してきた。

日本一を達成したいま、次なる目標は「世界一のモバイルインターネット会社になる」ことである。これを「大風呂敷」「夢物語」と笑う者は、もういない。

 

「自分の後継者=孫正義2・0」を育てる

ソフトバンクの未来に不安要因がまったくないわけではない。最大のリスクは、孫正義そのもの、つまり後継者問題である。しかし、孫正義はすでにそこにも手を打っている。

平成22年(2010年)7月28日、孫正義は後継者発掘・育成を目的とする「ソフトバンクアカデミア」を開校した。

校長は孫正義が自ら務め、直接指導も行なう。受講者はソフトバンクグループ内の社員はもちろん、グループ外からも広く公募。開校日から募集を開始したところ、1日も経たないうちに数千人もの応募が寄せられた。開校からまもなく4年が経つが、「ソフトバンクアカデミア」の出身者がグループ会社のトップに抜擢されるケースも出てきている。

孫正義は昭和56年(1981年)9月に、日本ソフトバンク(現・ソフトバンク)を設立した。それから29年を経て「ソフトバンクアカデミア」開校に着手し、30年目にして本格的講義開始に至った。

その目的はただ1つ、「自分の後継者=孫正義2・0」を育てることである。

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19歳のときに立てた「人生50年計画」

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