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成功するネーミングは「電車の中吊り広告」から学ぶべき理由

高橋誠(創造開発研究所代表)

2015年05月20日 公開 2022年12月22日 更新

 

読者は新聞・雑誌の「見出し」を、注目している

私は毎朝、約1時間かけて新聞を読みます。皆さんもそうでしょうが、ページをめくりながら、まず開いたページの見出しだけサッと目を通します。次に気になった記事を読み、保存したい記事はコピー機でA4サイズに統一してコピーします。

新聞の見出しは、最終的には、新聞社のデスクが決定します。知人のデスクは「なかなか決められず、最後の最後まで悩む」といつも言っています。

雑誌も基本的に同じですが、新聞とは違って定期購読が少なく、各号ごとに見出しが売上げを左右するので、編集者の見出し作成への思い入れは、新聞以上に強いようです。

本のタイトルもやはり重要で、書名でヒットするかどうかが決まってきます。私は70冊以上の本を出版していますが、毎回、編集者の方と書名を必死に考えます。読者層に刺さる表現、そして書店の棚で目立つタイトルは何かと、いつも考えています。

 

上手な見出しをつける、「タイトル3ルール」

新聞、雑誌、本、いずれであれ、タイトルを考える際の基本ルールが3つあります。

(1)読者目線で考える

商品やサービスのネーミングと同じで、読者ならこの記事のどこに興味を持つかを考えて、タイトルにするのが基本です。くれぐれも自分目線で、自分が伝えたいことをタイトルにしてはならないと考えてください。

(2)内容を要約するのではなく、要点を表現する

内容をまとめようとすると、すべてを網羅したくなり、曖昧模糊なタイトルになってしまいます。要点を表すキーワードを探し出し、それを前面に押し出すのがコツです。

(3)あれこれ言わずに、断定する

読者はタイトルを見て、筆者が何を言いたいのかを早く知りたいのです。だから、読者が迷わないように、「こうです」と断定し、言い切ることが大切です。

一般のネーミング作成と同様で、新聞や雑誌の見出しも、現代の断面を鋭く切り取ったものです。どの見出しが良いかなどよく分析し、ネーミング作成能力を高めてください。

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車内広告では「中吊り広告」が、最も見られている

著者紹介

高橋 誠(たかはし・まこと)

ネーミング開発の草分け会社〔株〕創造開発研究所代表、教育学博士

静岡市(旧清水市)生まれ。東京教育大学心理学科卒、筑波大学大学院修士修了、東洋大学大学院博士終了。創造性開発の日本での第一人者。日本創造学会の理事長、会長を歴任。電通、日テレで教育を開始以来、企業戦略・商品・ネーミング開発、人事・採用・教育等のコンサル・研修等を展開。現在、日本教育大学院大学特任教授。一般社団法人日本起業アイディア実現プロジェクト理事長、NPOエコリテラシー協会理事長、〔株〕アイディアポイント取締役会長、日本創造学会理事。著作は76冊を数える。

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