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「ほめ上手」になろう!

2011年09月06日 公開

本間正人(NPO法人学習学協会代表理事) 祐川京子(営業スキル研修講師)

《PHP文庫『ほめ言葉ハンドブック』より》

効果的なほめ方の秘訣

 正しいほめ言葉とはどんなものか、ほめ上手になるためにどのようなことに心がければよいかということを確認していきましょう。
 ほめ上手になるための秘訣として、まず、正しいほめ言葉を理解することが大切です。ここでは、正しいほめ言葉の原則を6つにまとめています。いずれも、当たり前のことのように思いがちですが、意外に実践できていないものです。

◎ 正しいほめ言葉の6原則

【原則1】事実を、細かく具体的にほめる


 どんなほめ言葉をかけられるとうれしいかは、人によってさまざまです。しかし、多くの場合、漠然とした言葉でほめられるよりも、自分のどの部分がよいかを細かく具体的にほめられたほうがうれしいものです。
 たとえば、「君は素晴らしい」と漠然とはめるほうが効果的な場合もありますが、基本的には、「今の応対の仕方、心が込もっている感じが出ていてよかったよ」「信念を持って説明していたのが、とても素晴らしかったよ」「頼んでおいた仕事、もうできたの? ものすごく早いなあ」などのように、具体的なほめ言葉のほうが、受け取る側にとっては、うれしいのではないでしょうか。それは「この人は自分を見守っていてくれる」という安心感が伝わるからではないかと思います。
 同時に、「事実」をほめるということも大切です。事実と異なる見え透いた「おだて」は逆効果。根拠のない未来について期待をいだかせるようなことや、事実をねじ曲げて伝えても、いつかは嘘だと分かりますし、結果として相手との人間関係を壊すことにもなりかねません。

【原則2】相手にあわせてほめる


「会社でもプライベートでも、相手をけなしたことはないし、いつも相手のよいところを率直にほめているよ」、そう考えている人は少なくありません。しかし、自分ではほめているつもりでも、相手は本当にほめられたと感じているでしょうか。
 人の受け止め方は、さまざまです。自分はほめているつもりでも、皮肉、嫌みだと受け取られている場合も少なくありません。
 コミュニケーションは、相手があって初めて成り立つものです。相手の性格や、置かれている立場・状況に応じたほめ方をすることが必要です。博学をほめられてうれしいと思う人もいれば、気配りや言葉づかい、ファッションのセンスを認めてほしい人もいます。
 一方で、「俺はどうもほめるのは苦手だ。口先だけのような気がしていけない」と考える方がいるかもしれません。
 しかし、じつは「口」だけでは人をほめることはできません。「耳」と「目」そして「心」でほめることが大切です。「聴」という漢字は、これら三つの要素を「+」(プラス)して成り立っています。つまり、相手の話を聴き、状況をよく見て、仕草ぶりを心で受け止める。ほめ上手は、観察上手。一人ひとりの部下の持ち味や長所、そして細かい成長を見逃さずにいたいものです。

【原則3】タイミングよくほめる


 相手にとってほめられてうれしいと感じる時にほめることも大切です。「そういえば、半年くらい前につくってくれた企画は、よくできていたよね」などと言われても、実感は湧きません。
「鉄は熱いうちに打て」といわれますが、相手がよいことをした時、成果を上げた時に、すかさずほめることが、ほめ上手になるためのポイントです。そして、照れくさいという気持ちを脇に置き、小さな勇気を発揮して、相手をほめましょう。  そのためには、ふだんからコミュニケーションをとり、相手の細かい変化を見逃さないことが大切だといえます。

【原則4】先手をとってほめる


 相手の長所や進歩、成果などを認め、評価することは大切ですが、一方的にほめるだけではなく、互いに喜びを共有することも大切です。そのためには、互いにほめあうということを心がけたいものです。「あなたのおかげです」「いえいえ、そんなことないですよ。あなたこそ......」とほめあうことで、互いの心理的な距離が縮まり、尊敬しあう心が生まれます。  その際、大切なのは「先手必勝」。相手より先にほめることです。とくに、自分が成果を上げている時には、自画自賛したり自慢話をしたくなりますが、そんな時こそ、自分のほうから相手をほめるという姿勢で接したいものです。それが謙虚な人だ、調和を大切にする人だという評価となり、周囲からの信頼にもつながっていきます。

【原則5】心を込めてほめる


 ほめるといっても、ボキャブラリーが豊富で、さまざまなテクニックを駆使しさえすればよいというわけではありません。たとえば、「計画が順調に進んだのは皆さんのふだんの努力のたまものであり、感謝の気持ちで一杯です」「今回の君の貢献は、創業以来といってもよいほど画期的なことだ」などと、格調高い美辞麗句を並べ立てられても、あまりうれしさは湧いてきません。むしろ、飾らない言葉、シンプルな言い回しで、言葉と声に気持ちを載せて伝えたほうが相手の心に響きます。
 一般に、日本人は感情を表現するのが苦手だといわれますが、相手に対する感謝の気持ちを、心を込めて一言、伝えることからはじめるとよいでしょう。

【原則6】おだてず媚びずにほめる


「ほめる」とは、事実にもとづき相手の優れているところを認め、言葉で伝えることをいいます。それに対し、事実でないことをあたかもたたえているかのように言うことを「おだてる」、相手に気に入られるようにふるまうことを「媚びる」といいます。
「ほめる」には、相手の自発性や意欲を引き出し、組織自体をよりよくしていくというポジティブな効果が付随するものです。ほめた時に相手がつけあがってしまうのは、ほめているつもりでも、おだてたり、媚びたりしているからかもしれません。ご機嫌とりをされ、気持ちよく持ち上げられれば、つけあがってしまうのも当然といえるでしょう。正しいほめ方を理解し、実践していきたいものです。

生まれながらにほめ上手な人はいません。ある時はほめすぎて相手が舞い上がってしまったり、良かれと思って言ったつもりが反感を買うこともあるかもしれません。しかし、ほめる回数、ほめられる回数が増えるにつれ、次第に着眼点がシャープになり、ほめ言葉のボキャブラリーも増えていきます。 試行錯誤を繰り返し、あきらめずに1段1段階段をのぼり続けることで、結果的に本当のほめ上手、「ほめ達」(ほめる達人)になることができるのです。

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本間正人(ほんま まさと)
NPO法人学習学協会代表理事、帝塚山学院大学客員教授。東京大学文学部卒、ミネソタ大学Ph.D.。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」講師などを務め、「教育学」を超える「学習学」を提唱。「研修講師養成塾」を創設。国際コーチ連盟(ICF)プロフェッショナル認定コーチ、NPO法人日本コーチ協会理事。
著書に、『人を育てる「叱り」の技術』(ダイヤモンド社)『できる人は1週間を「168時間」で考えている』(中経出版)『適材適所の法則』『[入門]ビジネス・コーチング』『「コーチング」に強くなる本』『プレイング・マネジャー』『[入門]キャプテンシップ(共著)』『コーチング一日一話(共著)』(以上、PHP研究所)ほか。

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祐川京子(うかわ きょうこ)
第一生命の一般職として十数年勤務。事務職や法人営業を経て、営業スキルの研修講師として約5,000名のセールスやビジネスパーソン、経営者向けに講演・研修を実施。現在は外資系金融機関に勤務。八戸大学・八戸短期大学総合研究所客員研究員なども務める。
著書に、『ほめ言葉ワークブック(共著)』『ほめ言葉ハンドブック 家族・プライベート編(共著)』(以上、PHP研究所)『愛嬌力トレーニング』(TAC出版)『夢は宣言すると叶う』(中経出版)など。


<書籍紹介>

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やる気を引き出す! 
ほめ言葉ハンドブック 

本間正人 著/祐川京子 著
本体価格476円

ほめることで相手のやる気を引き出せば、ビジネスはうまくいく! 状況に合わせて使い分けできる600フレーズのほめ言葉を掲載した本。 手元に1冊置いておけば、「ほめ言葉のレパートリー」が劇的に増え、「ほめ上手=ほめ達」になれること間違いなし!

 



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