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松塾 reading room

PHPオンライン衆知編集部

2011年09月16日 公開 2022年09月29日 更新

松塾 reading room
マネジメント思想を深めたいリーダーに!

『ドラッカーはなぜ、マネジメントを発明したのか』

ジャック・ビーティ著、平野誠一訳
ダイアモンド社刊 (1600円:税別)

 昨年来のドラッカーブームで、"週刊ドラッカー"とでもいってよいほどドラッカー解説本の出版が止まらない。あまりの多さにどれを読むべきか分からないという経験をされた方も多いだろう。
 こういうときはまず解説本の〝定番〟にあたるべきだ。1998年に出版されたビーティの本はそうした"定番"の一冊。このたびタイトルを一部変え"ドラッカー本"で定評の版元から新装版が出版された。ドラッカーの人物像と業績を時代順に解説するという平凡な構成であるものの、本人と会話を交わしたこともない日本人著者の本とは異なり、ドラッカーの人柄がうかがえるエピソードにあふれ、肩肘張らずに読める。
 ドラッカーの日本人理解の深さにも触れている。日本人ビジネスパートナーとのトラブルで怒り心頭の経営者に対し「まずは非を認め謝ってきなさい」とアドバイスし、その経営者が渋々それに従ったところ、日本人パートナーとの関係が一気に改善した話なども紹介している。

book_dekiru91.jpg 部下に仕事観を確立してもらうための一冊!

『「あの人はできる」と思われる人の91のルール』

浜口直太箸
PHP文庫(619円:税別)

 本書を開くと目に留まるのがこんな一文。「自分のことを『できる社員』と思っている人に限って、周りの人はそう思っていないことが多いのをご存知ですか?」。こういう"カン違い社員"にこそ読んでほしいのがこの本だ。著者によると、「できる人」とは、仕事ができるだけではなく人間的に立派な人を指している。
 だからこの本、仕事能力向上のテクニックだけでなく、精神論に多くの′ヾ-ジを割いている。第1章のトビラをめくれば、毛筆で「仕事は戦い、職場は道場。一歩外に出れば、そこはもう壮絶な戦場」の文。仕事経験の浅い新入社員や就職活動中の学生には、最初から強烈な一撃だ。
 謙虚であれ、朝早く起きろ、姿勢を正せ、笑顔であいさつ、大きな声でハキハキと、気配り大事 ―― など、子ども向けの説教だと思うだろう。でも、こうした当たり前のことこそ大切なのだ、日本だけではなく海外でもそうなのだ、と国際ビジネスの経験豊富な著者が具体例を交え、教えてくれる。

book_maekawa.jpg 経営者としての哲学を究めたい人に!

『マエカワはなぜ「跳ぶ」のか
    -共同体・場所・棲み分け・ものづくり哲学』

前川正雄著、野中郁次郎監修
ダイアモンド社刊(1800円:税別)

 産業用冷凍庫の製造などを手がける前川製作所は国内よりも海外で知名度の高いグローバル企業。1971年に2代目の前川正雄氏が社長に就任してから、「定年なし」「部課長制廃止」「人事異動は自由」などのユニークな方針で急成長し、注目を浴びるようになった。
 前川氏は1950年代にミシガン大に留学し、日本人として当時のアメリカ経営学に違和感を覚えた一方、60年代に生態学者・今西綿司の棲み分け理論に出合って以来、日本的な人間集団のあり方を、特に生物学に依拠しながら探求し続け、その知識を実際の経営にも生かしてきたという個性的な経営者である。
 本書には、「無競争」「感覚知」「場所」「共同体」「動と静」など、ビジネス書にしてはとっつきにくい抽象概念が飛び交っているが、現場の実践をふまえた叙述が展開されており直感的にも理解できる。また、経営学の世界的権威である野中郁次郎氏がコメントしてくれるので理屈でも分かる、という贅沢な一冊だ。

「松塾 reading room」 掲載誌紹介

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『PHPビジネスレビュー 松下幸之助塾』

隔月各27日発行(年間6冊)
1年購読料金 5,670円(年間前納特別価格)

 日々の事業活動で絶えず問われる経営判断。"経営の源"となる普遍の経営理念とは何か。リーダーに問われる経営理念の実践をテーマにしたビジネス誌『PHPビジネスレビュー 松下幸之助塾』は、一代で世界的なエレクトロニクス企業を育て上げ、今なお注目を浴びつづける松下幸之助の経営哲学を基軸に、組織リーダーの決断力と見識を磨く内容でお届けします。
<特徴>(1)充実した特集主義(2)豊富なケース・スタディ(3)実践と研究

2011年9・10月号の[特集」は「なぜ経営理念の力を信じないのか」
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