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普通の親子のように両親と接することができません……こころ相談

菅野泰蔵(東京カウンセリングセンター所長)

2017年03月06日 公開 2023年01月12日 更新

普通の親子のように両親と接することができません……こころ相談

離婚しました。今さら親元に戻るのも……

親と自分の関係に悩んでいます。32歳、先日離婚をしました。高校卒業以来親元を離れ、一人暮しをして結婚。7年で離婚しました。再び親元に戻る気にはなれず現在は親の住む町の隣町で一人暮しです。父親は他人を批判することしかできないような人です。母親はいつも言い訳ばかりです。親元を離れてから、私はやっと自分自身と向き合うことができるようになりました。それまでは親に抑圧されていたように思います。でも、離婚することになって再び親と深く関係しなければならなくなり、今後どのように親と接していっていいのか、不安に感じています。離れているとお互い思いやる気持ちになれるのですが、深く関わると私はどんどん追い込まれていきます。父親は何かにつけ、私を批判します。ただでさえ辛い時なのに、いっそう追いこまれていきます。

離婚のゴタゴタが終わって1ヶ月、親との接触を絶っています。やっと少し落ち着いてきました。これから、親は歳とって面倒をみなくてはならない日がやってくるかもしれません。できれば、普通の親子のように仲良くもしたい。でも、今の気持ちのままでは無理のような気がします。10代後半頃から親には一切心を開いていません。母親はそのことすら気づいていないような気がします。多分私のことを理解していると思っていると思います。両親に私が思っていることすべてぶつけてしまいたいとも思いますが、それをしたからといって解決につながるとは思えません。私自身精神的に自立していないということなのでしょうか。完全に精神的に自立できたら親との関係もよくなっていくものなのでしょうか。

(32歳、派遣社員) 

 

余計なストレスは避けたほうが賢明

アドバイス

あなたは十分自立している人だと思います。けれども、今ご両親のことが気になるのも無理はありません。何しろ離婚されたばかりなのですから、気持ちの整理がついたり、心が落ち着いたりするのはもう少し先のことになるでしょう。

「親元から離れることで自分自身と向き合うことができるようになりました」と言うように、あなたにとって親と離れることはたいへん良いことだったのでしょう。また離れていることで、「お互い思いやる気持ちになれる」というのもその通りではないかと思います。

特に今は、余計なストレスを加えることは避けたほうが賢明です。ですから、親に近づくことはあなたにとって良くないことではないでしょうか。今の生活に慣れて、もっと気持ちが落ち着いたら心にも余裕ができるかもしれません。そのときになったら、一度ご両親を訪ねてみるのがいいでしょう。その際には、ほんの様子を探るくらいのものにしておくほうがいいですね。また、父親は批判ばかり、母親は言い訳ばかりの人としてあなたには映っているようなので、予行演習として、親のいいところを無理矢理にでも5点以上挙げられるようになればいいなと思いますね。

著者紹介

菅野泰蔵(すがのたいぞう)

東京カウンセリングセンター所長

 1953年東京生まれ。学習院大学卒(心理学)。臨床心理士。学習院大学、代々木の森診療所などを経て、現在東京カウンセリングセンター所長。ベストセラー「こころの日曜日」シリーズ(法研)を始め、「淋しい女と困った男」(双葉社)など著書多数。

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