職場でもプライベートでも、あまりに無神経で「ああ、めんどくさい!」と叫びたくなるような人が近くにいませんか? そんな「めんどくさい人」の取り扱い方法をご紹介しましょう!
※本記事は渋谷昌三著『「めんどくさい人」の取り扱い方法』(PHP文庫)の一部を抜粋、編集したものです。
やたら大声で話す人
威勢のいい話や専門用語のオンパレード。聞きたくないよ
周囲の状況をかえりみずに大きな声で話す人を見かけることがあります。電車の中や飲食店で、我が物顔で大声で話し続ける人に遭遇するのは不運ですね。
A子さんの会社のB課長は、電話の声が大きいことで有名です。出社早々、取引先の担当者と大声で話し始めます。
話の中身は新しいプロジェクトのことだったり、専門用語を交えた打ち合わせだったり、やたらと景気がいいのですが、フロア中に聞こえるような声のため、顔をそっとしかめている人も少なくありません。
この、B課長のような人は、一見非常に自信家に見えます。話の中身も、威勢のいいことが多く、それを誇示するかのように大声で話すのです。
けれど、その自信満々な声とは裏腹に、本当はどこか不安を抱えているのです。周囲に自分という存在を認めさせたいけれど、誰も認めてはくれないんじゃないか、という不安を感じています。そこで、大きな声で自分をアピールしているのです。
「俺はすごいんだぞ。こんなにいろいろ知っているんだぞ。仕事ガンガンやっているんだぞ」というのを、周囲に一生懸命宣伝しているわけですね。
しかし、どんなに大声を出しても、軽く見られたらどうしよう、という気持ちを拭い去ることはできません。
周囲が顔をしかめても、「威嚇成功」とばかりに一時的な満足感に浸ひたっていたりします。
やたらとカタカナの専門用語や最新の流行などを交えて「教えてあげるよ」といった態度で話をする人なども、同じタイプの場合が多いでしょう。
こういう人のそばにいるのは、精神衛生上よくありません。もっと上の立場の人に注意してもらうか、電話のときだけは、席をそっとはずしたり、耳栓をしたりするのがいいかもしれません。
大声で話すのは自信がない証拠。「威嚇」は無視してしまいましょう。
いつもひと言多い、皮肉屋な人
いちいちつけ加えるひと言。結構、傷つくんですけど……
営業成績が上がった部下に、「お前にしては頑張ったな」。
残業が続く先輩に、「無理しない方がいいですよ、もう若くないんだから」。
こんなふうに、なにかにつけ、ひと言多い人というのはいるものです。このタイプの人と話をしていると、イヤな気分になったり、傷ついてしまうこともあるでしょう。
このような人を、ドイツの精神病理学者クレッチマーは、「分裂気質」と分類しました。分裂気質の人は、物事を理解・分析する能力に長たけています。けれど、他者への配慮に関しては無神経で、独断的なところがあります。
このタイプは、本人にはまったく悪気がなく、つい口から言葉が出てしまっていることが多いのです。むしろ親しみを感じる近しい距離の相手にこそ、こういうことを言ってしまったりします。
このような人とは距離を置くに限りますが、同じ組織や集団にいる場合、なかなかそうもいかないでしょう。そういう場合は、自分が大人になるしかありません。
「この人はこういう人。別に悪気があるわけじゃない」と考え、心に耳栓をしてしまいましょう。
「私のことが嫌いだから、こんな意地悪を言うんだろう」とか、「この人の言うように、ダメなヤツだと周りから思われているんだろう」という思い込みは、自分自身を追いつめ、傷つけてしまいます。
けれど、相手はそれほど深く考えているわけでもありませんし、それが絶対的な評価というわけでもありません。
もっとも落ち着くのは、「自分だけが言われるわけじゃない、この人にはみんなイヤな思いをさせられているんだ」と、冷静に客観視することかもしれません。
悪気があるのではなく、ただ無神経なだけです。「この人の言うことは絶対じゃない」とスルーするに限ります。