試験に一発合格する人の勉強法はどこがちがうのか
2017年10月17日 公開 2022年06月06日 更新
宅地建物取引主任者、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記2級、英検準1級……短期間に91もの試験に合格した高島徹治氏が、無駄を省き、短期間で要領よく合格ができた秘密とは?
※本記事は、高島徹治著『もっと効率的に勉強する技術!』(PHP文庫)より一部を抜粋編集したものです。
100点満点を目指してはいけない!
一発合格する人の超効率的な勉強法とは?
どんな学校にも完璧主義者がいて、先生や講師をよく手こずらせています。
枝葉にすぎない細かい事柄を引っ張り出してきて質問を投げかける。先生が答えられないと、何やら不満な表情を浮かべ、ふてくされる。
いい方向に解釈すれば、彼らは恐らく完璧主義者なのでしょう。テキストの「注」に書いてあるような細かな内容まで、きちんと理解しないと不安でたまらないのかもしれません。
しかし、こういう人は得てして、本番の試験では合格できません。
なぜなのでしょうか?
その理由は、試験に対する「戦略」と「戦術」がないがしろにされ、意味のない勉強に時間を浪費しているからです。
試験に合格するためには、事前の情報収集が大切です。1)試験科目の内容、2)合格ライン、3)合格率、4)ここ最近の出題傾向、といった試験に関する情報を収集しなければなりません。
こうした情報にもとづいて、勉強期間や勉強法を定めていくのです。一発合格を狙うのか、2年計画、3年計画にするのかを検討し、同時に、かかる費用も予め算出します。
そして、具体的な勉強法自体も、「獲得得点の目標設定」から導き出されます。
試験の合格ラインからみて、何点取る勉強をするのかが決まってくるのです。
100点を取る勉強と、50点を取る勉強では、明らかに手法が異なります。
獲得得点から逆算し、独学にするのか、資格学校に通うのか、通信教育にするのかといった勉学コースの設定も考えなければなりません。
獲得得点の目標は、合格ラインプラス7点
獲得得点の目標設定は、戦略や戦術を描くうえでの基軸になるものです。
完璧主義の人は、点数は多く取るほどいいと考えますから、常に100点満点を目指しています。
そうすると、テキストや参考書にあるすべてのことを覚えなくてはなりません。
そんな焦あせりから、先に述べたように、重箱の隅をつつくような質問に走ってしまうのでしょう。
しかし、試験では、100点満点を取ることなどまったく意味がありません。
主催者が判定するのは、受験者が一定のラインを越える力があるのかどうかです。誰が成績優秀者なのか、高得点で合格をしているのか。そんなことは、主催者たちにとってはどうでもいいことなのです。
たいていの試験では、60点が合格ラインとして設定されています。この点数は「優」「良」「可」で言えば「可」に当たります。決して高い点数が望まれているわけではなく、「可」のラインをクリアすれば合格できるのです。
そこで私はズバリ67点を、獲得得点の目標とすることをお勧めします。
合格ラインの60点を目標にしてもいいのですが、本番の試験で不得意な分野ばかり出題されたり、ケアレスミスを起こす可能性も考慮しておかなければなりません。それに、試験当日に体調を崩すといったアクシデントが発生するかもしれませんから。
そこで、合格ラインプラス7点――。
少し余裕を持って、万一の場合の保険を7点だけかけておきます。もし、試験のレベルが高く、合格ラインが70点の場合は、プラス7点の77点が目標となります。
こうした目標設定は、だいたい、合格ラインプラス1割程度を保険点と考えてもらって結構です。何度も言うように、100点を狙ね らう必要はありません。また、2割も3割も保険をかける勉強は、効率的な勉強法から遠ざかってしまいます。
満点を目指せば目指すほど、勉強効率は低下します。それだけ、合格からも離れていってしまうことを、しっかりと頭に入れておきましょう。