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資格取得のプロが実践する「最短最速」スピード勉強法

高島徹治(資格コンサルタント)

2017年10月31日 公開 2024年12月16日 更新

資格取得のプロが実践する「最短最速」スピード勉強法

宅地建物取引主任者、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記2級、英検準1級……短期間に91もの試験に合格した高島徹治氏が、無駄を省き、短期間で要領よく合格ができた秘密とは? 

※本記事は、高島徹治著『もっと効率的に勉強する技術!』(PHP文庫)より一部を抜粋編集したものです。
 

開始前の「3分下見」で勉強量が半減!

街の外観を見渡したときに学んだこと

先日、東京の郊外三鷹市にある大きな病院に行ったときの話です。

病院の6階にあるカフェの窓際のテラス席に座って、全面ガラス張りの窓から、外に視線を走らせると、吉祥寺駅の方向へ向かって、街の様子を一望のもとに捉えることができます。

いくつもの発見がありました。あちらこちらに、意外なほど木々が生い茂っており、小さな森がいくつもあります。大きな道が一筋、駅に向かって走り、駅に近づくにつれ、高層マンションがニョキニョキと立っています。

これまで、何度も病院までバスに乗ってきており、街中の様子は知っていたのですが、街の全体図はほとんど知りませんでした。低い位置で、目で見られる範囲だけを眺めていると、物事の本態には気づきにくいことを、改めて確認したのです。
 

全体像をつかめば、「勉強の急所」がひと目でわかる

この話は、勉強法とも通じています。

私が高い場所から街の様子を一望したように、勉強を始める際にも、まず全体の姿(像)を頭に描くことが大切です。全体像を頭に植えつけたうえで、だんだん細かい部分に入っていきます(トップダウン方式)。

つまり、鳥瞰図による全体把握。「鳥のように上空から地上を眺めながら、対象を理解する方法」です。大ベストセラー『超勉強法』の著者である野口悠紀雄氏は、こうしたスキルを「鳥の目」勉強法と名づけました。

勉強しようと思って、本や参考書を買ってきた。いきなり開いて、最初のページから読み進めていく。そして、しらみつぶしのように、大切と思われる知識を暗記していく。

こうしたボトムアップ的なアプローチは、非常に効率が悪いといわざるを得ません。趣味的な勉強ならかまいませんが、短期間で目標を達成する勉強においては不向きです。

マラソン選手が「とりあえず行けるところまで頑張ろう」と、自分がどれくらいのペースで、何キロ地点を走っているのかもわからずにレースを続けているようなものです。

全体のコースや領域がしっかりと脳裏に刻み込まれてこそ、自分がいま、どの地点にいるのか、「鳥の目」的な感覚で捉えられます。勉強している内容の位置づけができるのです。

重点的に攻略しなければならないポイント、その逆で、力を抜いてもいいポイントなども明確になってきます。最短でゴールインを目指すのであれば、遠回りのように見えても、まずは全体像を把握するために時間を使ってください。

この時間は何倍もの恩恵をあなたに与えてくれるはずです。
 

目次は情報の宝庫

それでは次に、全体像をつかむための具体的な手法を説明していきましょう。

まず始めに、とにかく実行していただきたいのは、本、あるいは参考書の目次を見ることです。目次に目を通すだけで、

1)全体の構成
2)それぞれの項目の関連性
3)全体の分量

などが把握できます。これだけの情報量が詰まったページを読み飛ばしてはいけません。

目次の構成はテキストによって様々ですが、基本的に「部」「章」「節」といった単位で構成されているはずです。それぞれの大きな流れをひと通りつかみ、その次に部あるいは章の塊かたまりごとに目を通すといいでしょう。

また目次は、自分が勉強している項目の位置づけの確認にも役立ちます。

前回はどの項目を勉強したのか、今日はどの項目を勉強するのか、勉強を始める前に目次で確認するようにしてください。

常に全体のルートと、自分の現在地を認識することが大切です。そのために目次は最適なツールになりますから、目次を見る習慣が身につくと、勉強効率が大幅にアップしていきます。
 

相関関係を常に意識できるようになる

キーワードを拾いながら、それぞれの項目の関連性を意識することも、全体像をつかむためには有効な方策です。

目次を見ると、重要なキーワードは何度も繰り返し出てきたり、太字になっているのがわかるでしょう。そうしたキーワードを中心に学習すべき項目を整理していくと、項目を関連づけて、たった一度の勉強で覚えることができます。

項目ごとの関係は、以下のようにいくつかに分類できます。

1)同義事項……たがいに同じ趣旨に立つ項目
2)対立事項……反対の趣旨に立つ項目
3)併立事項……異質だが両立する項目
4)補強事項……両立するだけでなく補強しあう項目

これらはあくまで一例ですが、常に項目の関連性を意識、整理しながら勉強することで、記憶や理解の定着度がグッと増します。

体系的な構成に沿ったタテの流れ。
項目、キーワードに沿ったヨコの流れ。

こうした縦横無尽な視点を持つことで、「全体」と「部分」がはっきりとイメージできるようになるのです。

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「インプット学習」の見切り方、「アウトプット学習」の回し方

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