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恋愛に失敗する人の勘違い。アドラー心理学から哲学者が考える恋愛論

2018年05月10日 公開

岸見一郎(哲学者)

岸見一郎

<アドラー心理学ブームの火付け役で360万部超のベストセラーとなった『嫌われる勇気』。その著者の岸見一郎氏に、アドラー心理学の観点から、恋愛関係において幸福になるために必要な心得をたずねた。>

 

アドラーは「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」と言ったが

――人に愛されるためには、何を心がければよいのでしょうか。

多くの人は、愛される方法を探ろうとします。愛することは簡単だ(だが、愛するにふさわしい相手を見つけることは難しい)と考えています。しかし、たとえ誰かを愛していても、愛し方を知らないでいると、ただただ苦しくなってしまうのです。

もしもあなたの恋愛がうまくいかないのなら、恋愛に限らず、どの対人関係でもいつも同じような失敗をするのなら、必要なのは「愛され方」より「愛し方」について考えることです。そこに愛が幸福をもたらすカギがあります。

「愛し方」といっても、小手先の技術やマニュアルのようなことではありません。愛されることを出発点にすると、相手の思いが前提になり、「決め手」を相手にゆだねることになります。
相手が自分を愛してくれなければ、一歩も前に進めないのです。他方、愛することが出発点になると、そこから愛が始まる。相手との関係に対して、自分が主体的になれます。

もちろん、相手の気持ちにお構いなしでただ愛するということが行き過ぎると、ストーカーのようになってしまいます。相手が困っているのに愛を強要するのは、相手を愛することにはなりません。

――しかし、主体的に振る舞えるほどの勇気が持てません

アドラーは、「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」といっています。しかし、対人関係の中でしか得ることのできない幸福や生きる喜びというものはたしかにあるのです。

そのためにも、対人関係の中に踏み出さねばなりません。
ところが多くの人は踏み出すことができない。傷つくかもしれないし、思うようにいかないかもしれないからです。それで好きな人や仲良くなりたいと思う人がいても、自分から声をかけることをためらうのです。

声をかけない理由として、人はしばしば「自分にはそんな価値がないから」というようなことをいいます。自信がないとか、どうせ断られるとか、そういった理由です。

しかし、本当は違うのです。心のどこかで、声をかけないと決めている。そのために、自分には価値があると思わないようにしているのです。
先に「声をかけない(なぜなら傷つきたくないから)」という決心があって、対人関係に踏み出す勇気がないことを正当化するのです。

もちろん、相手に声をかけさえすれば必ずうまくいくわけではないけれど、声をかけないことには何も始まりません。思いを打ち明けたら拒まれるとは限らない。
どうすれば打ち明ける勇気を持てるのでしょうか。

大事なのは、うまくいくかどうかわからなくても一歩を踏み出すことです。そのために自信を持つことが必要になってきます。自信が持てたら一歩を踏み出す、のではありません。

(次ページ:「自信を持つ」ことと「ポジティブになる」ことの違い)

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著者紹介

岸見一郎(きしみ・いちろう)

哲学者

1956年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古典哲学、とくにプラトン哲学)と並行して、89年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学やギリシア哲学の翻訳・執筆・講演活動を行なう。著書に『アドラー心理学入門』(ベスト新書)やベストセラーとなった『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)など多数。

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